久しぶりに映画館に行きました。好きな音楽にちなんだ映画です。先に読んでいた恩田陸著「蜜蜂と遠雷」をもとに映画化した作品です。(MIKIさんのコメント、図星でした。公開を知って早速出かけました。)
もちろん小説と映画作品とではその表現方法が異なり、映画化された作品に少しがっかりさせられる例が多いような気がするのですが、この作品は映像、カメラワークが見事。周到、丁寧な作品作りがされていて、原作を読んでいない人にも違和感なく作品の意図が伝ってくると思いました。
国際的なピアノコンクールを舞台に、4人の出場者たちの繊細な心の動き、音楽に対する思いなどを追いながら緊迫感のあるクライマックスへとつながっていきます。石川慶監督作品。キャストに内面表現がうまい松岡茉優、松坂桃李らを配し、実際に演奏する人に今話題の河村尚子、金子三勇士らに依頼、この映画のためにオリジナル曲「春の修羅」の作曲を実力派の藤倉大に委嘱するなど力を入れ、随所にショパン、ドビュッシーなどのピアノの名曲が挿入されていて楽しめます。
映画館に行った日は一般の人たちにまだ公開の情報が十分に伝わっていなかったのか、空席も目立つような気がしました。良い映画なのにもったいないな、と思いました。