Lone Wolf 型なのか?:
パリのテロの時に、Home Grown型と従来の枠組みの中で、今回のテロが、分析されてきたが、確かに、海外の組織により、国内で、その思想に影響されたり、或いは、海外での軍事教練などで、一度、帰国してきてから、テロに関わるというタイプが、以前から、警戒されていたが、これに加えて、今度は、米国で、所謂、組織に、命令されずに、或いは、その組織的な指揮命令系統に左右されずに、自立的に、テロ行動を起こす個人的なグループが、新しく、出現してきたことは、どんなに、おとり捜査や、諜報機関を動員した情報収集でも、なかなか、その兆候を事前に、把握することは困難なことである。そう言えば、昔、「アルジェの闘い」の中で、抗仏テロ作戦に、アルジェリア民族解放戦線によるテロを題材にした映画を想い出すが、確か、このテロ組織は、指揮命令系統が、ピラミッドではなくて、縦型、孤立型自立的で、横の連絡や同じ仲間の顔すらも、互いに、知らないように、自在に、独自の動きを変幻自在に、出来るような組織に、わざわざ、意図的に、創出されたものであると謂われていたが、こうした形のテロは、なかなか、大海に、一本の針を捜すかの如きで、全く、ややこしいこと、極まりないものがある。憎悪と報復の限りない連鎖、精神的な、或いは、物質的な豊かさと、疎外感、偏見と差別、寛容と抑圧、そして、心的排外主義の芽生えと非寛容の動きは、20世紀、二度に亘る大戦の経験から、とりわけ、ネオ・ナチズムの復興を防ぐ観点から、欧州は、とりわけ、フランスは、その成熟した文化的な高さと芸術・異文化との共生を、移民政策とグローバリズムのなかで、何とか、その方向性を、拡大EU統合による、「溶ける国境」の問題でも、辛うじて、解決してきたものの、今や、IS壊滅のために、ロシアと組んで、事実上の無差別空爆を重ねる羽目に、陥っているが、考えてみれば、「パリの移民街を、何故、爆撃しないのか?」等という皮肉な結果を生み出している。教育と貧困と失業、或いは、帰属意識とある種の自尊心・忠誠心など、心の豊かさや物質的な豊かさとは、別に、如何にして、この困難な課題を乗り切っていったら良いのであろうか?決して、日本人も、関係無いことではないことは、容易に理解出来るし、満州からの引き上げ難民や、日本文化を根底から支えてきた大陸や半島からの帰化人らの歴史、或いは、戦後間もない、南米への移民政策等を鑑みるときに、今後、どのような政策が、求められるのであろうか?そして、国民一人一人が、どのような態度と行動をとったら、良いのであろうか?Home Grown 型と、Lone Wolf型は、決して、他人事ではない。