星の王子さまの終わりの方の言葉。「(中略)・・・・・・じぶんたちがなにがほしいのか、わからずにいるんだ」「だけど、さがしてるものは、たった一つのバラの花のなかにだって、すこしの水にだって、あるんだがなあ・・・・・・」「だけど、目には、なにも見えないよ。心でさがさないとね」星の王子さまの小さな小さな星には大切な一輪の花があります。無機質な星だけでなく、そこに一輪の花があり、それを思う王子さまの気持ち . . . 本文を読む
高校三年生の仲良し5人をめぐる物語。それぞれが他人の気持ちを記号で見えるという独特の設定。とても細やかにお互いを理解し合っていたり、ある側面から把握していたり、それを独特の感覚で捉え分けている。10代は自分探しをしながら他者も理解しようとする時代。まだ確立していない自分や周りの人たちだから、何かを演じているような枠を感じたり、その中で無理をしたり。そんな自分探しの時期ってありました。そこに淡い恋心 . . . 本文を読む
「 若者の自殺者昨年三千人 駆け出してすぐ救いたきいのち 」昨日のニュースだったと思う。10代〜20代の若者の自殺者の数、三千人。私の勤める小学校の在校生を6校集めた数。自分の身の回りにはいなくても、それだけの若い命が絶たれている。涙が出てきた。毎日、ニュースを見ていると、何かしなければと思うことであふれている。その一つとして形を成さないもどかしい日々を送っていながら…。若いときは、自分の夢を見 . . . 本文を読む
「 全力で生きてやるぞと我思う なんでもかんでも抱きしめながら 」DISH//の「猫」という曲が流行りました。なかなかいい曲だと思っていたら、あいみょんが「君の膵臓をたべたい」に感動して、映画に出ていた役者さんのバンドDISH//のために「猫」を作ったのだそうです。原作も映画も感動しました。私は原作読んで自分なりの登場人物や世界観を想像するのが好きなので、できるだけ原作を先に読みます。この作品は . . . 本文を読む
「また、同じ夢を見ていた」読後感を。奈ノ花という小学生の女の子と、その大切な友だちとの友情を描いた作品。尻尾のちぎれた彼女と呼ぶ猫、アバズレさん、おばあちゃん、南さん、荻野くんと桐生くん、学校のひとみ先生。物語の所々に「また、同じ夢を見ていた」という言葉が出てきて、不思議な部分があります。最後まで読んでも、その不思議な部分は完全にはわからなくて、すべてが夢の中の出来事だったかのような、部分的に . . . 本文を読む
「赤とんぼ」(立東舎 乙女の本棚シリーズ)赤とんぼを表紙の女の子に見立てて描かれている絵本。人間の姿になっていますが、これはこれで優れた翻訳のような一つの世界観を表現していました。名アレンジとでも言いましょうか…。南吉の凄み、凄みの後の寂寥、一つの愛の深み、文章も素晴らしく、絵も素晴らしかったです。
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(外伝というのは、この本編の物語に出てきた人物を別の角度から描いたものです。)
読後メモ
「外伝を読んで、イアル、エサル、エリンの人生を本人たちが語るという形で書かれていて、この人たちにしあわせがあったこと、人生に花も実もあったことを知って、うれしかった。私もしあわせだった。
284頁のエサルの言葉。「・・・ときには、生まれてきてよかったと思える日もあるだろう。」(苦しみから解放される王獣を見 . . . 本文を読む
上橋菜穂子さんの「獣の奏者」全4巻を読み終えました。
この作品は、架空の猛獣である「闘蛇(とうだ)」という、おそらく龍のような大きな蛇と、「王獣(おうじゅう)」という翼のある大きな獣が兵器のような存在として飼われている世界の話です。
人が乗れるほど大きな鳥のような王獣と大蛇が軍事の要となっています。
しかし、これらの獣は元々野生に生きるものでした。
人間が勝手に利用しようとしたので . . . 本文を読む
先ほど、同一作品の読後感を書きました。
本の裏に自分で書いたメモをここにも書いておきます。
これが本当の読後感というか、上橋さんへの言葉です。
メモ1
「 この結末でよかったのだろうか。人間が生きてゆくということはこのようになってしまうということだろうか。
そして、上橋さんはなぜ、人とカミを両方内にもつ存在を描こうとするのだろうか。人対自然、人対動物という図にしてしまわないのだろう . . . 本文を読む
私の好きな作者は、宮沢賢治と上橋菜穂子さんが同率で一位。
どちらもファンタジーと言えばファンタジー。
でも、ファンタジーって何だろう?
上橋作品を読むと、こんなにリアルな世界をファンタジーと呼ぶのかと疑問に思います。
上橋さんの作品では、「守り人(もりびと)シリーズ」を読みました。
上橋さんにお手紙を書きたいと思いつつ、あまりに素晴らしい世界、筆の力に何を書けばよいのか、何も書けないとい . . . 本文を読む