東京大空襲 無差別爆撃と被害
原爆に匹敵する空襲の被害
広島や長崎の原爆投下については、日本国内だけでなく国際的に注目されている。昨年2019年11月には、ローマ教皇フランシスコ1世が訪問したばかりだ(参考:「いよいよローマ教皇来日、フランシスコはどんな人?」)。だが、東京大空襲は、そのほか地方都市に対して行われた空襲も含めて、日本国内でもあまり取り上げられることはない。東京大空襲だけについても、被災地となった下町と、おなじ東京であっても山の手では認識に大きな違いがあるようだ。
5年前のことになるが、英国のThe Economist誌の記事で知った事実は、その意味ではショッキングなものがあった。それは "Japan and the past: Undigested history" (2015年3月7日)という記事だ(日本語タイトル:「日本とその消化されざる過去の歴史」)。
先にも名前を出した早乙女勝元氏のインタビューから書き起こされたこの記事によれば、東京以外の地方都市の被害も含めると、大東亜戦争での日本の犠牲者は空襲による死者だけで30万人を超える。さらに広島の原爆投下で14万人、長崎の原爆投下で7.4万人が犠牲者となっている。記事に掲載された図表(下記参照)をみると、日本の被った空爆の被害が、群を抜いて異常なまでに大きなものであったことがわかる。
いまだに非人道的であったと反発の声があがるのが、米英連合軍によってドイツに対して実行された「ドレスデン大爆撃」(1945年2月13~15日)である。だが、それですら死者は1.8万人なのである。「バトル・オブ・ブリテン」(1940年9月~1941年5月)におけるドイツ空軍による数回にわたるロンドン空爆と同規模である。ロンドン空爆による民間人の死者は約2万人だ。
東京大空襲は、ドレスデン大爆撃の5倍以上の死者を出しているのだ! にもかかわらず、東京大空襲が日本国内では大きな話題になることはなく、そのための公式の慰霊碑すらないという事実に The Economist誌は注意を喚起している。この事実は日本人としては重く受け止める必要があるのではないか。
しかも、東京大空襲を含めた空襲による日本人の被害は総計30万人であり、広島と長崎の原爆被害のそれぞれより多いだけでなく、広島と長崎をあわせた原爆死者(約21.4万人)よりも多いのだ。
もちろん、原子爆弾と焼夷弾とでは被害の性格が異なる。原爆の場合は被爆による後遺症のため、戦後しばらくたってからも亡くなる方も少なくないという大きな違いもある。だが、空襲による犠牲者の圧倒的多数が非戦闘員のシビリアン、すなわち民間人であったことに変わりはない。戦闘員と非戦闘員の区別なく犠牲となったという点において「無差別殺戮」であったといって過言ではない。この事実をしっかりと認識することが重要だ。この認識があってはじめて、現在なおシリアなどで⇒続きはコチラ・・・・
広島や長崎の原爆投下については、日本国内だけでなく国際的に注目されている。昨年2019年11月には、ローマ教皇フランシスコ1世が訪問したばかりだ(参考:「いよいよローマ教皇来日、フランシスコはどんな人?」)。だが、東京大空襲は、そのほか地方都市に対して行われた空襲も含めて、日本国内でもあまり取り上げられることはない。東京大空襲だけについても、被災地となった下町と、おなじ東京であっても山の手では認識に大きな違いがあるようだ。
5年前のことになるが、英国のThe Economist誌の記事で知った事実は、その意味ではショッキングなものがあった。それは "Japan and the past: Undigested history" (2015年3月7日)という記事だ(日本語タイトル:「日本とその消化されざる過去の歴史」)。
先にも名前を出した早乙女勝元氏のインタビューから書き起こされたこの記事によれば、東京以外の地方都市の被害も含めると、大東亜戦争での日本の犠牲者は空襲による死者だけで30万人を超える。さらに広島の原爆投下で14万人、長崎の原爆投下で7.4万人が犠牲者となっている。記事に掲載された図表(下記参照)をみると、日本の被った空爆の被害が、群を抜いて異常なまでに大きなものであったことがわかる。
いまだに非人道的であったと反発の声があがるのが、米英連合軍によってドイツに対して実行された「ドレスデン大爆撃」(1945年2月13~15日)である。だが、それですら死者は1.8万人なのである。「バトル・オブ・ブリテン」(1940年9月~1941年5月)におけるドイツ空軍による数回にわたるロンドン空爆と同規模である。ロンドン空爆による民間人の死者は約2万人だ。
東京大空襲は、ドレスデン大爆撃の5倍以上の死者を出しているのだ! にもかかわらず、東京大空襲が日本国内では大きな話題になることはなく、そのための公式の慰霊碑すらないという事実に The Economist誌は注意を喚起している。この事実は日本人としては重く受け止める必要があるのではないか。
しかも、東京大空襲を含めた空襲による日本人の被害は総計30万人であり、広島と長崎の原爆被害のそれぞれより多いだけでなく、広島と長崎をあわせた原爆死者(約21.4万人)よりも多いのだ。
もちろん、原子爆弾と焼夷弾とでは被害の性格が異なる。原爆の場合は被爆による後遺症のため、戦後しばらくたってからも亡くなる方も少なくないという大きな違いもある。だが、空襲による犠牲者の圧倒的多数が非戦闘員のシビリアン、すなわち民間人であったことに変わりはない。戦闘員と非戦闘員の区別なく犠牲となったという点において「無差別殺戮」であったといって過言ではない。この事実をしっかりと認識することが重要だ。この認識があってはじめて、現在なおシリアなどで⇒続きはコチラ・・・・