陰日向に咲く

まるでマルチアングルで1枚のDVDを見ているような気分でした。

あまりに評判が良く「直木賞でも取れるのでは」という人までいるらしいので『陰日向に咲く』を読んでみました。内容としてはいわゆる「負け組」の5人の登場人物が情けなくも自分らしくそれぞれ生きていく様を、「劇団ひとり」こと川島省吾氏独自の視点で書き綴った物語です。丸山健二氏の次にこの『陰日向に咲く』を読んだこともあってか、文章や構成に違和感を感じなくもありませんでしたが、単発の2時間ドラマを見ているような楽しさはありました。小説として楽しむというよりは、「劇団ひとり」の劇団員を次々と作り出していく川島省吾氏のユニークな人物造形を楽しむべき本なのでしょう。

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