うぃるの最期の日までの事を記しています。
状態や変化が、闘病中のワンコや飼い主さんの、
何か、ちいさなヒントにでもなればと思っています。
厳しい神経症状と闘いながら、
やっと済ませた排尿の後、僅かな眠りにつけた うぃるでしたが…
30分ほどで眠りは覚めてしまいます。
もう、この後の夜間は地獄でした。
厳しい中…有り難い事に、発作へ至ることは有りませんでしたが、
座薬を使いつつも、神経症状が優勢になったものを制御し、
穏やかな眠りを作ってやることは出来ませんでした。
「 眠ることができない 」
これは、ただでさえ辛い事なのに、
脳内の電気刺激暴走によって、眠れないのです。
頭の中を走り回る電気信号。
どれほど疲れ果て…気力を奪われるのか。
想像することは…容易なことです。
そしてその厳しさは、うぃるの瞳を見れば解ります。
虚ろながら…すがるような瞳。
カイヌシがトイレに立つ僅か瞬間でさえ、
瞳をひんむいて、目で動きを追います。
辛さや厳しさから、不安で不安で仕方がないのだと感じました。
昨夜よりも今宵…
厳しいのだと、どうにもならないのだと、辛いのだと…
その瞳から全てが伝わってきていました。
この うぃるの「すがるような瞳」は以前にも経験しています。
うぃるは勝気な性格だからこそ、
基本、カイヌシにすがることはありませんでした。
どんなに体調が悪くても、己でその辛さを処理する…
そんな強さを持ち合わせているコでした。
「アンタに何が解るのよっ」…ってね。
過去、何度かカイヌシへ向けられた すがるような瞳…は、
うぃる自身の事柄ではありませんでした。
それは、生きたまま蟻に集られてるカブトムシや、
羽化の為に彷徨い弱ったセミの幼虫、
道路の真ん中で動けなくなったカエル…など、
小さな命を見つけてしまって、どうにもできず
カイヌシの手を必要とするからこそ…の、助けを求める瞳でした。
この夜、うぃるからのその瞳を受け、
上に記した、過去の数々の出来事を思い浮かべながらも…
カイヌシの中では、沢山の想いが交錯しました。
うぃるは今、己の事の…
この窮地からの救いを、求めているのだとも感じました。
数日前、先生から「安楽死」という言葉が出た時、
その時に「死」を決断出来なかったのは、
まだ…瞳にうぃるの意思が宿っていたから。
身体は不自由になっても、瞳で会話が出来、
十分な存在力が、意識力がそこに在ったから…です。
今、うぃるからの求められたこと、
この窮地から脱する術が有るのか…と言ったら、
「 No 」
…です。
いや、病院へ行けば、
強制的に眠らせる(シャットダウン)事は出来るでしょう。
でも、それは一時的なこと。
脳内の神経症状暴走に至った原因を取り除くことが出来ない以上、
薬が切れれば、また苦しみが繋がります。
じゃあ、逃れるために…毎日毎日薬漬けにして
その先に何が有るのでしょう。
もう、大好きだった「食べること」さえも出来ないのに。
命を維持するための、生理現象さえ命がけなのに。
これはカイヌシのエゴだとしても。
エゴでしかないのだとしても。
「うぃる、もういいよね…」
この夜何度も、うぃるへ語り掛けた言葉でした。
何度も何度も、うぃるの瞳と…確認し合った夜でした。
うぃるの存在を全身で感じながら…
寄り添いながら過ごした最後の夜でした。
そして。
この夜に覚悟を決めても、行動をしなかったのは。
脳内の神経症状暴走を抱え、
不安がる うぃるの側から、離れる事が出来なかったこと、
夜間は特に、神経症状が暴走しやすいからこそ、
ここで「移動」という刺激を加えることは、ベストではないと判断したこと。
そして…不安という精神状態の中で、送り出したくない…。
全ては、この3つだったのだと、
今になって…思うのです。
明け方、4時すぎ…
排尿と排便…大きな仕事を2時間程かけ、命がけで終え、
うぃるは自ら、身体を不自由ながらも楽な姿勢に動かし、
好きな姿勢になり、クッションに身をゆだね…。
その時の表情は、今でも忘れられない程の
ゆったりとした表情で、肩から大きく息を吐き、
僅かな眠りに落ち…
朝を迎えました。
おコギ好きの貴方…
よろしければ、ぽちっと…お願いします
闘病生活、応援お願いいたします!
よろしければ、ぽちっと…お願いします。