この本で僕は、古屋誠一に再び出会った。
生活の中で、また非日常の中で読んだ本を、その状況と共に語っている。しかしこれは書評本ではなく、本の紹介本でもない。タイトルどおり読書についての本である。
著者と僕の本の趣味はおそらく合わないが、それでもなおこの本が面白かったのは、本を読み著者が何を感じ受け取ったのか、その真摯な姿勢を実況中継さながらに書いているからである。本の持つ魅力が伝わってくる。
趣味が合わないと言いつつ、参考にしてみる。そういうのもいいでしょう。
自由は束縛から生まれ。
喜びは悲しみから生まれる。
這い蹲る地面がなければ。
果てしなく広がる空はない。
悪魔は天使の兄である。
死の影が濃いほど。
今の命が輝くのだ。
透き通るガラスコップに。
なみなみと注がれた水を。
躊躇うことなど微塵もなく。
一息で飲み干しているところ。
飲み終わりとはいつでしょう。