

タイトルに惹かれたのと、東京オリンピックに反対していることをパラっと読んで買った。
時代の捉え方や思想の批評についてはうなずけることも多かったけど、なんか読んでて違うなぁという感じがずっとしていた。
GoogleやポケモンGOの肯定でなんか違和感があり、丸山眞男の否定でその違和感が大きくなり、糸井重里の肯定で決定打。思想的には自分とは相入れない。
最後の項で、この本の目的は気持ちよく走り続けるためだという意味のことを書いてあって、なるほどなと思った。これは社会学の本じゃない。この時代をうまく生きるための本だ。
社会を良くするためには大衆を市民にしていく努力を続ける必要がある。それが民主主義を諦めないということだ。だから、書くから読むに行く、なんてことは気持ちよく走り続けるにはいいかもしれないけれど、それ以上にはならない。市民になるためには読むから書くという方向しかあり得ない。
本書は時代の批評本としてはおもしろかったけれど、自分自身の生きる糧にはならなかったな。