詩１４３「痛みを」

頭が痛いよ。
ありがとう。
お腹が痛いよ。
ありがとう。
背中が痛いよ。
ありがとう。
膝が痛いよ。
ありがとう。
喉が痛いよ。
ありがとう。
胸が痛いよ。
ありがとう。
腰が痛いよ。
ありがとう。
こんなもの。
世界の痛みに比べたら。
笑っちゃうほど
ちっぽけだ。
なんてことは全く
思わないけれど。
神様あなたは
正しいよ。
僕には痛みを
与えるべきだよ。
追い詰めて。
追い込んで。
狂わせてくれ。
潰してくれ。
僕はマゾではないけれど。
痛みをもっと
知るべきだ。
痛いから苦しいのでなく
苦しむための痛みを僕に。
僕が死ぬまで。
気を抜くな神。
求めよ。与えよ。
我に痛みを。