ペン画 １１０

詩１７７８「止まったことはないんだぜ」

風の。
風の。
風の。
中を。
走る。
走る。
走る。
走る。
斜めになってる。
コンクリの歩道。
身体傾けて。

雨の。
雨の。
雨の。
中を。
走る。
走る。
走る。
走る。
きみんちの前。
通る時手を振る。
誰もいないけどね。

強い風。
僕にやさしい。
寒い雨。
僕にやさしい。
一人で走る。
僕にやさしい。

走る。
走る。
走る。
生まれてこの方。
止まったことは。
ないんだぜ。
この胸の心臓は。

田舎で朝で

笹倉慎介

が、気になるのだ。気になるのが増えてきた。
ここらで…

ペン画 １０９

詩１７７７「旅にはいつでも出れるのさ」

100メートル先まで。
ゆるりと一人旅。
たぶんもう。
帰らないから。
後はよろしく。
思えば楽しいことばかり。
運良くずいぶん生きてきた。
ここまで葉っぱが飛んでくる。
あの木に行ってみたかった。
運がよければたどり着くだろ。
途中で死んだら。
それでおしまい。

西に背を向ける

MANFRED MANN 『EP COLLECTION』

アナログレポート。
LPのジャケットにのっているEPのジャケットたちにまだ見ぬ興味をそそられる。そのデザインにそそられる。
興味をそそられながら聴く。

ペン画 １０８

詩１７７６「満たされ渇く」

満たされてなお渇く。
逃げ場がないから叫ぶ。
生まれた時に決まっている。
などと微塵も思わず。
夢は必ず叶う。
たとえそれが極悪の夢だとしても。
滅びゆく身体。
繋ぎ留めもせず。
満たされぬ渇きを叫び。
目の前だけを見て生きる。
生きる。