二十一歳の誕生日を5日後に控えた晩秋の京都競馬場。
単勝14番の1万円馬券を握りしめ、スタンドの柱番号14番の前に立つなりとろの姿があった。
生まれてはじめて好きになった馬が、なりとろの想いを背負って走る。
胸がドキドキした。
馬券の額じゃない、ただ、勝って欲しいと願った純粋な気持ちからのドキドキだった。
初めて愛した彼が走り抜けた1分35秒3。
今でもあの痺れるような気持ちは忘れられない。
あれから23年。
なりとろは、あれ以来彼には会えていない。
北海道には二度、足を運んだが、二回とも彼に会うことはできなかった。
彼は滅多に見学できる馬ではなかったし、今はなおさら会える可能性が低い。
低いと言うより、ゼロなのだ(一般公開されていないため)。
もう会えないだろうと、ほとんど諦めていた日々。
そんななりとろに、神の声が届いた!
トップロードを応援しているときに出会ったネット友達が、社台スタリオンステーションの見学を誘って下さったのだ!
あぁ、ネ申!
Hさんが神に見える(-人-)
行くよ…!
会いに行くよ、サッカーボーイ!!
なりとろの全てと言っても過言でないサッカーボーイ!!
これは夢か?
夢では困る(苦笑)
お互い歳を重ね、23年もの年月を超え、ようやく対面できる喜び。
まだ実感は湧かないけど、本当に会いに行くからね。
そして、会えたらひとことだけ、君に伝えたいことがあるんだ。
だから待ってておくれよ、サッカーボーイ!!