当方見聞記

旅と舞台・ライブ話を気ままに書いてます

福山城

2012年01月30日 | 日記
名城百選のひとつ、福山城へ。
以前行った時は年末で閉まっていてスタンプ貰えなかったのよね~

福山城はJR福山駅の目の前にあります。
ホームからもバッチリ見える。
比較的駅から近い城は多いですが、あそこは、自分が行った城の中では、たぶん一番駅に近いんじゃないかな?
JRの駅の前の道1本挟んで城がありますからね


筋鉄御門を通って中へ。
ちなみにこの門、現存なので重要文化財です。伏見城から移築したとの説もあり

中に入るとまず目の前にあるのが復元の御湯殿。

現在は貸会場として利用されているそうな。

そして天守
 
福山城の天守は、廃城令や管理面やらの難を乗り越えて戦前までは一応現存していたのですが、広島の空襲で焼失したため、現在は復興天守が建っています。
皮肉なことに、焼失前までは姫路城ばりに国宝指定されるような美しい&特徴的な天守だったらしいんですが(北側の壁は鉄板張りで真っ黒だったそうな)、史実よりもさらに美を追及して建てちゃったそうで…気持ちもわかるけど
おかげでだいぶ本来の姿と違っちゃったんだそうな。
そんなわけで再建とか復元って言えないらしいです、今の姿は
ま、美を追求しただけあっていろんな意味で綺麗な城なんだけどね。

天守最上階からの景色。
   

今は住宅街に囲まれていますが、江戸時代、水野勝成が領主となって築いた城は、10万石の領主とは思えない大規模な城だったんです。
天守が五重ってだけでも大きいんですが、20を超える櫓が当時は作られたんだそうな。
毛利の押さえとして&西国の守りの要の城として建てられたので、水野家が改易となっても、この規模は廃藩置県まで続いていたんだそうです。

天守を出て櫓見学。
ここでまず一番にあげなきゃならないのが伏見櫓

筋金御門の横に建っているので、入城の際にも外から眺められる櫓ですが(ちなみに御門の写真の手前の石垣、その上に建っているのが伏見櫓)、この伏見櫓も筋金御門同様、福山城の中で戦火を逃れた現存の櫓。…と言うか、戦火を逃れたのはこの2つだけです
しかもこの櫓、正真正銘、伏見城からの移築されたもの
なんでそれがわかってるって、梁に『松ノ丸東やぐら』の陰刻があったからなんですね~
伏見城からの移築って伝わる城郭はいくつかありますが、物証で裏付けが取れているのはこの櫓だけなんですすごいんですよ
サイズとしては小さめの天守に相当しちゃうサイズ。
丸亀城の天守より(ここは櫓説も出てますが…)もしかしたら大きいんじゃないかなぁ?

その伏見櫓の向かいにあるのはが鐘櫓。
  
一部現存らしいけど、どこの部分かはわからず…
鐘楼が城にあるのは珍しいとは思いますけどね。元は多聞櫓(現在なし)に併設されていたらしいです。

御湯殿挟んで反対側には鏡櫓・月見櫓があります。

↑これは月見櫓。この左側に鏡櫓があります。
こちらは廃城によって取り壊されているので、現在の建物は復元。
木が茂っちゃってて微妙な写真になっちゃったけど

最後におまけ。
トイレの出入り口からの天守閣(笑)

個人的にはこの角度好きです
もしかしたらここが一番写真ポイントなんじゃ…とも思っちゃった

下谷万手町物語

2012年01月30日 | 日記
『下谷万手町物語』行ってきました。

りえちゃんの育児休暇?明け、復帰作です

唐十郎作品なだけあって、難解な部分もありましたが、最終的には頭の中も解決できて面白かったです
3幕あったんだけど(蜷川さんだからねぇ)、2幕は途中から追い付いていけなくなりましたから
あれ?あれ?あれ?みたいな
3幕で自分なりに解決できて良かった…

話は、戦後。上野の近くの下谷万手町という男娼の町で起きたある事件から。
警視総監なんておエライさんが単身でこの町に現れて、男娼たちに暴行を食らい、総監の帽子を奪われる。
これは権力の象徴。警察が奪い返そうとするのはもちろんなんだけど、この存在によって立場向上を狙える側としては簡単に返すわけにもいかない。…な~んてことをやっている間に、この界隈のオカマさんのトップメンバーの一人であるお春のイロの洋一(藤原竜也)が帽子を盗んで逃亡する。
洋一を追いかける為かり出されたのが、下谷万年町に住む六本指の少年文ちゃん(西島隆弘)。
二人が出会ったとき、瓢箪池から謎の女キティ瓢田(宮沢りえ)が現れる。好きな男“洋ちゃん”を追いかけて身投げをした、キティ。
恋人と同じ名の洋一を演じることに同意して男装の麗人となったキティは、3人で“サフラン座”を立ち上げる。
ヒロポンの影響?現実と瓢箪池の中の世界と、時空を超えた2つの世界で巻き起こる騒ぎ。
最後は…決してハッピーエンドではないんだけれど精神的な幸せとでも言いましょうか。人間の欲望の果てにある本人にかわからない幸せをもがき取ろうとしていく…そんな話です。

今の文ちゃんが過去の自分に乗っ取られていくってのがベースにあるんですが、西島くんの演技のピュアな感じは良かったですね~
洋ちゃんとお瓢さんに振り回されている感じがなんとも可愛かった
文ちゃんはお瓢さんに惚れちゃってるのと同じ重さで洋ちゃんに憧れを抱いている。どっちも選べないくらい好きなんですよ。
そんなわけで、後半シーンに洋ちゃんの血を垂れ流すお瓢の太ももにしがみついて口づけるってのがあるんですが、ピュアさがあるからこそならではの切なさと色っぽさがあってめっさ良かったなぁ~

竜也くんは言わずもがなですな。
昔、妻夫木くんとやったTVドラマ『サブ』を思い出しましたね~役が似てた気がする
今回席がちょっと遠かったんですが、竜也くんって、遠目でも顔の表情わかりやすいのにはびっくり。あれもオーラ?

そしてりえちゃん
やっぱりりえちゃんの芝居は素晴らしい
あの存在感はすごいよ
妊娠・出産をして少し太ったのかな?…といっても全然細いんですけど以前より華奢なイメージが減った気しました。今回は男装の麗人でもあったんで、華奢すぎるより、これくらいのがカッコもついて良かったと思う。
そして2幕のセリフの多さと言ったら…あれ、台本何ページあるんだよ
野田さんの舞台でもさんざんりえちゃんのセリフの多さは驚嘆したけど、今回のも凄まじかった
一番個人的に好きだったシーンは西島くんのでも書いた、西島君がりえちゃんのふとももに口づけているとこ。
あの前後シーンの2人、本当に良かったなぁ

蜷川演出ってのに、プラス、設定時代の問題もあってか、剛がやった寺山修二の『血は立ったまま眠っている』とだいぶかぶる感じもありました。
蜷川さんって廃退的な演出のが得意だと思う、うん。
なんとも濃いい舞台で楽しかったです


あ、ちなみに。
もしこれから行かれる方。
1列目は水しぶきが尋常じゃないんでお気をつけて
遠目で見てて、ありゃ集中して見れんわな思った
もし当たっちゃってるなら…頑張って観覧してください