日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 手柄山正繁 Masashige Wakizashi

2017-10-28 | 脇差
脇差 手柄山正繁


脇差 手柄山正繁

 綺麗な互ノ目乱刃の脇差。永貞の刀と同様に、棟の肉を削いで実用性を追求している。一尺五寸弱。正繁は綺麗な互の目、濤瀾乱刃などを焼いて人気が高い。身幅が広くしっかりとした造り込みで、腰樋が活きている。地鉄は小板目肌が良く詰んでおり、子細に観察すると、繊細な地景が均質に交じっていることが判る。刃文は小沸出来。刃中に淡い沸足が入り組み、相州伝とは言え、古作のそれとは異なる、諸要素が綺麗に揃った出来となっている。古刀にはないこの点が江戸期の刀の大きな魅力であろう。