■□■カムイミンタラ■□■

旅の話、仕事の話、色々と書いてます。。。

大正生まれ

2007-02-10 19:09:14 | 病院のシゴト
私のいる病棟では、夜間帯の救急を請け負っています。

時折、心肺停止の人も運ばれてきます。

死亡診断書ってのは医者じゃないと書けないので病院以外で

亡くなった人も一旦、救急車で病院に運ばれてきて医者が診断するってのが

セオリーらしい。

この日も心肺停止の人が運ばれてきて、たまたま院長の患者だったという流れから

今回は警察が引き取らずウチで簡単な死後処置をして葬儀屋が来ることになった。

たまたま私は食事休憩中だったのでご遺体とは会っていないのだが、あとから話を

聞いたら、カラダに女性の名前が彫ってあったという。

両肩、両股、そして・・・・お珍にも・・・・・。

ひらがな、カタカナ、ローマ字で掘ってあったらしい。

大正生まれのおじいさん。大正生まれは情熱的でロマンチストだと聞く。

おじいちゃん、おばぁちゃんってみんな、お見合い結婚や親が決めた許嫁という

先入観があるが、患者に聞くと結構、恋愛結婚っていう人も多い。

話は戻って、この入れ墨、一体、誰の名前なんだろうね?という話になった。

奥さんなんじゃないんですか?と素直な感想を述べた私に対しておばさんナースの

二人は違うとどんどん妄想劇が繰り広げられる。笑。どっちにしろそこまで

想われるって凄いな~と想う。二人の意見は奥さんじゃないからこそ名前が

掘ってあるのよって見解なんだけどね。そこから話が広がり、一人のナースが

昔、訳あり旅館の前にある病院で働いていたことがあると言う。そして時折、

往診に来てくれと電話がある。その訳は・・・・な・ん・と !!

           

              腹上死と膣痙攣。


うっそ~?!笑。冗談ですよね~?と全然、本気にしていなかったのだが

ど~もホントらしい。「うっ、って言ったきり動かないので見に来て欲しいって

電話が掛かってくるのよ~」って言う。で、ホントに亡くなっているってさ。

「訳ありな旅館だからさぁ~、相手は奥さんじゃないわけじゃない。

 どうするのかしらね~。でもさぁ、男性は腹上死って本望だっていうじゃない。」

そんなの本当か~?苦笑。

「注射持って行ったわよ~」「注射って何の注射ですか?」「筋弛緩剤よ~」

ひえ~、リアル~。膣痙攣なんて無いに等しいものだと思っていた。

「アレって痛いし、恥ずかしいわよね~。ウフフ~。」っておばさんナースは

当時の話を語ってくれる。そして、おばさんなので話はまた広がる。

「ウチの主人さぁ、もうバレンタインのチョコを2個ももらってきたけど

 アレってホント迷惑な習慣よね~。一体、お返しにいくら掛かると

 思っているのかしら。軽く一万は掛かるわよ。しかも買いに行くのは

 私よ~。ホント、いい加減にして欲しいわぁ~。」

なるほど、世の中の主婦ってそう思っているんだ。苦笑。

なので私は「お返しは、3倍返しが基本ですよ」と突っ込んでみた。

「冗談じゃないわよ!!」って怒っていた。笑。

このおばちゃんナース、明るくて面白い人だから結構楽しい。