久しぶりに日差しが戻ってきた。
日曜日、台風接近による悪天候で延期になった運動会が、2日後の昨日、
晴れ渡った空の下で開催され、児童たちが元気に運動場を走り回った。
火曜日だったので、日曜日ほど保護者たちも集まらないだろう。
そう思っていたし、「場所取り」もそれほど激しくないのでは…
…と予想していたけれど、場所取りのほうは近所のママによると、
早朝に並びに出かけたところ、もう30人ほど並んでいたとのこと。
やはり夜中から並んでいる人もいたそうで、これが日曜日開催なら、
夜中の列も、もっともっと長かっただろう…ということだった。
やはり平日でも、場所取りは厳しい争いが繰り広げられているのだ。
モミィは近所の小学生たちと7時20分に出て行ったが、
運動会は9時から開会である。
僕と妻は8時45分くらいに学校に着いた。
まだ児童や先生の姿は校庭にはなかった。
家族の人たちが次々と学校に入ってくる。
「場所取り」の位置は、本部席の反対側、
つまりバックストレッチの部分が大半で、
他に児童席もあるので、さほど広いスペースではない。
レジャーシートがびっしりと敷かれていた。
この日はまた暑かったので、炎天下の観戦は大変だろうと思った。
夜中も含め、早くから並んでの場所取り。 でも、ここで見るのは暑そうだ。
僕らは建物の日陰で、涼しい風を受けながら立っていた。
去年、幼稚園児だったモミィを連れて見学した時よりも、
見学の人びとの数は、いささか少なく感じたが、それでも、
このために仕事を休んだのか、父親らしき人も多かった。
僕はモミィの幼稚園時代に毎日送り迎えをしていたので、
そのまま小学校に上がった園児のお母さんたちとも顔見知りで、
日陰で立っていると、いろんな人たちに会ってあいさつを交わす。
「あ、こんにちは。お久しぶりですね~」
と僕に声をかけてくれた人を、妻はほとんど知らない。
「あの人は、〇〇ちゃんのママでね、さっきのあの人は…」
と、僕が妻に説明する。
幼稚園送迎当時、お腹が大きかったママと会ったら、
可愛い男の子を抱いておられた。
「へぇ、あの時のお腹の赤ちゃんが、もうこんなに!」と驚いたり。
また、モミィが活動しているキックベースのお母さんたちとも会った。
「モミィちゃんはどんなお遊戯に出るんですか?」とか、
「1年生だから、可愛いでしょうね」とか言って、
「真ん中に場所をとってますので、疲れたらどうぞ来てください」
などと言ってくれたりするのだ。
その人が去ってから、僕はまた妻に、
「あの人は〇〇ちゃんのママで、会計の役をしてくれている人」
などとと説明するのである。
男の人とも、会ってあいさつを交わしたあと、
「あの人は、さっきの〇〇さんのご主人で、
キックベースの試合の時、よく車を出してくれる人」
と、そのつど妻に説明をする。
さらに、モミィはダンス教室にも通っているので、
その送り迎えで知り合うお母さんも、顔だけは知っているので、
こんな場所で出会うと 「あらぁ、こんにちは!」 と言われる。
要するに、僕のほうが妻よりも圧倒的に顔見知りが多い。
普通、こういう場合は、たいてい妻のほうが地域情報に強く、
夫は自分の家族以外、地域の人々のことにはほとんど疎い。
しかしわが家はそうでもない。
これも幼稚園の送り迎えや土・日曜日のキックベースの付き添いなど、
モミィの対外サポート役を受け持ってきたからであろう。
仕事をしていた頃は、家庭の周辺のことにはまるで無知で、
近所の人の名前も知らず、地域とも全然無縁だったのに、
退職をしてから、これほどいろんな知り合いができるとは…
なんだか、不思議な気がしてならない。
さて…
運動会は各学年の個人走やリレー、大玉ころがし、棒引き、綱引き、
組み立て体操、保護者参加種目など、いろんな競技があるのだけれど、
モミイの1年生は、50メートル走、ダンス、玉入れ、全学年の綱引き…
などで、当然だけど、幼稚園と違って、出番がなかなか回ってこない。
しかし、前述のように毎週キックベースの練習に付き添っているので、
モミィの先輩たちの顔はよく知っているから、その子らが走っていると、
「〇〇ちゃん、がんばれぇ」と応援できるので、退屈はしない。
こうして、モミィの学年以外にも知っている子が沢山いると、
それだけ他の競技や演技にも目が行くので、楽しいものだ。
お昼にはいったん帰宅して昼食をとり、また学校へ戻って来た。
午後からは日陰もなくなり、暑い中をあちらこちらと、うろうろした。
全学年の競技でモミィが出てくると、その近くへ行き、写真を撮る。
僕など小さいデジカメ2個を使って、写真と動画を撮るのであるが、
他のパパやママたちは、立派なビデオカメラをわが子に向けている。
ズラ~とビデオカメラが並ぶ光景は、まるでニュース報道のようだ。
ナマの目で見るより、カメラのレンズを通して子どもの様子を見る。
よく幼稚園では、「ご自分の目で、しっかりと見てあげてください」
と言われたものだが、運動会はやはり「撮影会」の雰囲気も漂う。
しかしさすがに秋の風物詩、運動会は、熱気ムンムンであった。
1年生の50m走。 モミィは左から2人目。 走っている4人中、4番目です
ダンスはモミィの得意種目。 表情もイキイキ (中央)。
玉入れ。 右端、しゃがんで玉を拾うモミィ。
綱引き。左から3人目、こちら向きがモミィ。 この勝負は白組が負けました。
3時前にすべての種目が終り、閉会式となった。
なかなか楽しい運動会であったけれど、
それにしても暑くて暑くて、疲れてしまった。
そのあと、モミィが帰ってくるとおやつを食べてすぐにまた支度。
今日は火曜日なので、エレクトーンのレッスンが5時から始まる。
急がなければならない。
「疲れたのになぁ~」というモミィを自転車に乗せ、
駅前のヤマハ音楽教室へ行き、そこで1時間、付き添った。
来週10月8日の祝日に、八尾のプリズムホールで合奏コンクールがある。
9月は主にその曲をずっと練習してきたが、今日が最後の合同練習日だ。
モミィのクラスは「幼児科」で、総勢9人。
なかなか9人の演奏がピッタリ合わないので、先生も一生懸命だ。
モミィも、運動会が終わると次は合奏コンクールである。
さらにその次の週末はキックベースの「合宿」が控えているし、
そのあとはダンスの発表会もある。 土・日は予定がギッシリ。
運動会の閉会式で、校長先生が「今日は宿題がありま~す」と言った。
その宿題というのは、「今夜は早く寝ること」だった。
「明日はお休みではありません。元気に登校してきてくださ~い」
そう言って、校長先生のあいさつは終わった。
本来、運動会の翌日は代休のはずである。
しかし日曜日の運動会が台風で流れても、月曜日は代休に変わりなし。
そして火曜日に運動会。代休が運動会の前日、という妙な日程になった。
今朝、モミィは眠そうに目をこすりながら、なかなか起き上がらない。
「ああぁぁ…ダイキュウがほしいわぁ~」
…と、布団の上でゴロゴロしながら、叫んでいた。