僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

「フツー」 ってどういう意味?

2018年05月08日 | ズレズレ草

NHKの連続テレビ小説「半分、青い」は15分があっという間に過ぎるほど面白い。中でも登場人物の会話が秀逸ですね。主人公の高校生たちや周りの大人たちのセリフの一言一言が実に心地よく響き、見ている間、ずっと自分でも微笑んでいるのがわかります。さすが北川悦吏子さんの脚本だ。あの「ロングバケーション」や「愛していると言ってくれ」の北川さんですよね。やっぱり並みの才能ではありませんな。

「半分、青い」については、また書こうと思っていますが、今日はこのドラマからは少し逸れた話です。

ドラマの中で主人公の鈴愛(すずめ)が、「わからんくなった」とか「聞えんくなった」という言葉を使っていたことに僕は少し驚きました。

3月下旬のブログで、かかりつけ薬局の薬剤師さんが「これまでのお薬が、効かんくなったんですよね」と言ったのを聞き、最近は大人もこんな不思議な言葉づかいをするんだ、と思った話を書きました。モミィがよく使う言葉で、僕はてっきり最近の子供たちが使うテキトーな造語だと思っていたのです。

ところが「半分、青い」で鈴愛ちゃんや、そのお母さんが、ドラマの中でその種の言葉を使っているのを聞いてビックリ。これは一つの方言かも知れませんが(このドラマの舞台は岐阜県)、大人としても正しい言葉の使い方なんだ、ということを知った次第です。つまり「効かんくなった」という言葉づかいは「ヘンな日本語」ではなかったわけですよね。

まあ、最近は「ヘンな日本語!」と思われる言葉もいろいろと出てきますけどねぇ。

この間は、東国原英夫が「汚名挽回しなければだめですよ」と言っていたけれど、これは正しくは「名誉挽回」ですよね。「汚名」だと「汚名返上」と言わなければならないでしょ。汚名みたいなものを「挽回」してどないするねん、な~んてツッコミを入れたくなります。

他にも気になる言葉づかいがいろいろとあります。特に気になるのが、「耳ざわりがいいですね」という言い方。これって漢字では「耳障り」と書くわけで、つまり不快な騒音などに対して「耳障りだ」という使い方が本来です。同じような用法として「目障り」というのがあり、「目障りだからあっちへ行ってくれ」というような時に使いますよね。「目障りがいい」なんて言わないもんね。なのに「耳障りがいい」というのは、なんで…?

これは「さわる」という字を、接触するという意味の同音の「触る」と混同されて、「耳障り」を「耳触り」と勘違いしているんですよね。で、「肌ざわりがいい」と同じような意味で「耳ざわりがいい」と言うように、へんてこりんな言い回しなっています。この言葉を聞くたびに、僕は面くらいます。

また「役不足」という言葉は、本来は自分は能力があるのに役が軽すぎる、という意味なのですが、よく「私は役不足です」と、謙遜のつもりで「自分の力不足」の意味で使ったりする人が多い。しかし意味は「オレのような大物にこんな軽い役ができるか」ということです。何も知らずに、そう言っているわけで、コワいですね~

「気の置けない仲間」というのは仲のいい人、という意味なのに、何となく親しめない人、という意味で使う人も結構います。

「流れに棹(さお)さす」というのは勢いづかせるという意味ですが、逆に進行を妨げるという意味で使ったりすることがよくあります。これも間違いですよね。

最後に、最近特に使われているのが、「普通に」という言葉ですよね。普通は普通だと思うのですが、これがちょっと意味が変わってきているらしい。たとえば先日の新聞のコラム欄に書いてありましたが、家に遊びに来た若い学生さんに手料理をふるまったら、「フツーにおいしい」と言われ、料理自慢の奥さんがショックを受けたという話でした。言ったほうは「お世辞ではなく、実際においしい」という気持ちだったのかも知れませんが、その、最近の若い人の言い方を知らなければ、「普通においしい」と言われたら、ガックリ来ますよね。

昔の通知簿で言えば、「普通」というのは5段階のうちの「3」ですもんね。「良くも悪くもない」という程度ですわ。

ま、そんなことで、連続テレビ小説「半分、青い」の話から、また例によって脱線してしまいました。

今日の話は面白かったでしょうか? はぁ? フツーですか? な~るほどね。もしそうなら、フツーにうれしいです(笑)。

 

 

 

 

 

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