おとといの午前、スポーツジムへ行こうと家を出たら、近所のお家の前に黄色い花が咲いていた。わりに目立っていたので、近寄って眺めてみた。鮮やかな黄色である。そういえば、以前にも、この黄色い花がこのお家の前に咲いていたので、何の花かと思ったことがある。そう、これは何の花なんでしょうね?
僕は自分で花を植えたりしたこともなく、植物には、まるでうとい。だから、こういう花の名前など、知る由もない。このお家は石山さんのお家だから、石山さんの奥さんとはよく顔を合わせるので、今度会ったら聞こう、と思いながらそのまま歩いてジムへ向かった。
…と、駅に近づいたところで、偶然にも向こうから自転車に乗った石山さんの奥さんがやって来た。すれ違う直前、奥さんは僕に「こんにちは~」と笑顔で挨拶をしてくれた。僕は「ちょっと、石山さ~ん」と大声を上げ、自転車を止めてもらった。
「どうしました?」と石山さん。
「ええ、お宅のお家の前に咲いている黄色い花なんですけど」と僕。
「あぁ、あの黄色い花ねぇ」
「さっき見て、きれいなぁと思って。あれは何という花なんですか?」
「えっ? あぁ、花の名前。花の名前…ねぇ」
「そう、あの花の名前ですけど」
すると石山さんは、はにかんだように少しうつ向いたあと、
「う~ん。実は私も知らないの。友達からもらった花だから」
と、意外な答えが返って来た。
「じゃぁ、その友達に聞けばわかりますよね」
と僕はもっともな質問をする。
「それがねぇ」
「それが?」
「その、くれた友達も『知らんね』と言わはりますねん」
どうやら、僕だけでなく、近所のいろんな人からこの花が咲く季節になると、
「何の花?」と聞かれるそうである。
「そのたびに、ごめん、知らんね、と言わなあきませんねん」
「どなたかご存知の方、いないんですかねぇ」
「そうねぇ。インターネットで調べたらわかるかも知れないけど、私はそういうのは苦手やから。あ、そうや。よかったら、調べてくれはります?」
…という話になってしまった。
そこで石山さんの奥さんとは分かれた。
帰り道にスマホであの花の写真を撮って、それを見てネットで調べてみよう、と思っていたが、その日は昼頃から急に大雨が降り出して、僕はその帰り道、傘も持たずに雨の中を濡れて帰ったので、黄色い花の写真は撮れなかった。
そして翌日、つまり昨日のことだが、早朝にカメラを持って石山さん宅の前の花の写真を撮りに行った。すると、なんと、昨日はあれだけ咲いていた花が、全部しぼんでいた。「な~んだ」と、がっかりしながら、一応その写真だけは撮って家に戻った。
朝の早い時間には、花はまだしぼんだままだった。
そして妻にその話をしたら、僕よりは花に詳しい妻は、
「あぁ、あの花ねぇ。私も何だろうと思っていたの」
と言うと、タブレットを出してきてネットで何やら調べ始めた。そして、しばらくして「これじゃない?」と、ある写真を見せてくれた。
それをのぞきこんだ僕も、
「あ、これかなぁ。何となく、これみたいやなぁ」
で、そのネット写真を詳しく見てみると、葉に紫色の斑点があった。そこで今、自分が撮影してきた、しぼんだ花の写真に写った葉をよく見ると、やはり紫色の斑点があった。たぶんこの花だろう。
この花は「オオキバナカタバミ」という花だった。そして、その日もまた午前中はスポーツジムへ行ったわけだが、石山さんの家の前を通ると、早朝にはしぼんでいた黄色の花が、キラキラと咲いていた。あるネットの解説によると、「日が暮れるとしぼみ、日中に咲く」とあった。そうだよね、朝早くには、まだしぼんだままだったもんね。
…ということで、そこで撮ったのが冒頭の写真です。
次に石山さんに会った時、このことを伝えてあげなければならない。
でも、「オオキバナカタバミ」と口で言っても、「むずかしい名前やねぇ」と言われるかも知れない。ま、その時は、スマホでネットの記事を見せてあげればいいかなぁ、な~んて思っています。
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花と言えば、前々回、桜に関するブログに書いた近所の城山古墳公園ですが、あれから、強風と雨で、桜もだいぶ散りましたが、手前に菜の花が綺麗に咲いています。
この古墳公園にはいろんな花が咲きますが、
最も有名なのが菖蒲(しょうぶ)です。
また、その季節に菖蒲の写真をお届けします。
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