前回の記事では、物事をイメージでなく
経済と照らし合わせて考えることの必要性を述べた。
物事を経済の観点から眺めると
憎い、恋しいと八代亜紀の歌みたいに
盛り上がっていた感情が冷めて、事実が見えてくるからだ。
まず事実に向き合わなければ、納得も解決も無い。
生まれっぱなしの本能的思考であるイメージ先行は
自分の好みや、たかが知れている経験を重ね合わせた
ヤマ勘や空想に過ぎない。
ヤマ勘や空想に頼っていると、厄介な問題ほど
事実とかけ離れしまい、必ず行き詰まる。
言い方を変えれば、厄介な問題の多くには
経済が関与しているとも言えよう。
そして、事実と向き合うのが嫌なばっかりに
イメージの中に滞在し続ける方を選択する人が多いのも
また事実である。
ともあれ経済のフィルターを通して物事を眺めるのは
経営者の思考だ。
経営者は世間のニーズ、リスク、リターンなど
数字とデータを常に頭の中で並べ
それらを通して世の中を見ている。
憎い、恋しいの主観で頭の中をいっぱいにしていたら
倒産してしまう。
ちなみに我が家の社長と専務は
愛人恋し、嫁憎しで頭の中をいっぱいにしたため
会社を失った。
物事を経営者の頭で考える習慣は
サラリーマンにも主婦にも高齢者にも必要だと思う。
なぜなら人間は皆、『わたくし株式会社』の社長。
自分を経営して生きている。
与えられた仕事をきちんとこなすのも
周りの人と円滑に過ごすのも
わたくし株式会社の経営を順調に回すための企業努力だ。
人はもの心がつくと、大人や教師から教わる。
「相手の立場になって考えましょう」。
もっともな言葉である。
しかし勤め人が、経営者の立場になって
ものを考えることはほとんど無い。
それをやったら、不満が言えなくなるからだ。
経営者の仕事は
社員の希望を叶えて喜ばせることではない。
社員に給料を支払うことである。
降っても照っても、楽でも苦しくても
自分や、自分の命である会社をボロクソに言う社員にも
給料日には1円も欠かさず支払う。
経営者は、そのために存在する。
経営者は、自分が社員に何と言われているかを知っている。
自分や自分の会社だけでなく、家族のことまで
ボロクソに言われているのも知っている。
しかし、それを嘆く経営者はいない。
経営者は悪口を言われ慣れ、怨まれ慣れている。
また、会社に不満を持つ人の大多数は
自分を優秀な人材だと思っている。
「会社が欲しいのは優秀な人材」
このフレーズも、社会の常識として浸透している。
誰よりも働いている優秀な人材のはずなのに
他の人々と十把一からげに扱われていると思うと
腹が立つものだ。
しかし、「この優秀な人材」の条件は
雇う側と雇われる側とで少々違う。
雇われる側の考える優秀な人材とは
人の倍働いて、会社の利益にいささかでも貢献する人。
しかし、雇う側の考える優秀な人材とは
文句を言わず、休まない人。
雇われる側は、これがわからない。
ちょっとばかり文句を言ったって、疲れて休んだって
普段たくさん働いてるんだから、いいでしょ?
と思っている。
経済オンチほど、その傾向は強い。
だから経営者や上司に
「僕は、私は、こんなに頑張っているんです」
とアピールしたい。
しかし経営者や上司は
背中を曲げ、しかめっ面でパソコンをつついて
自分たちが近づいたって振り向きもしない者を
「頑張ってるね」とは思わない。
むしろ不機嫌で反抗的ととらえる。
姿勢を正して軽く会釈をするような余裕すら無いとなると
優秀とは言えないのだ。
双方の意識のギャップを知らないばっかりに
損をしている人もいると思う。
社長がベンツに乗るのは
裕福を見せびらかしたいからではない。
中にはそんな人もいようが、それはさておき
自分の身に何かあった場合
迷惑をかける人の人数が多いからだ。
取引先や支払先に迷惑がかかり、社員は路頭に迷う。
だから衝撃に強い車を選ぶ。
しょっちゅうゴルフや海外旅行に行って
いい気なもんだ‥
社長は社員からそんなイメージを持たれ
嫉妬から批判の対象になりやすい。
けれども毎月、期日に支払いをし
期日に給料を払うプレッシャーを始め
ライバルとの商業的な戦い
安定するほど増える罠や落とし穴
人の口にのぼりやすい私生活
今は大丈夫だとしても、いつどうなるかわからない恐怖
本当は誰も信用できない孤独など
社長の精神的消耗の度合いはサラリーマンの比ではない。
時に浮世から離れ
電話も来客も無い時間を過ごさなければ
やっていられない。
ちなみに我が家は
社長が浮世から離れる時間を持ち過ぎたため
会社を失った一例である。
このようなことを基礎知識として頭に入れてから
仕事や世間を経営者の眼で眺めてみてもらいたい。
仕事のほうはともかく、世間を見ると面白い。
面白い…それでいい、それがいいのだ。
例えば今話題沸騰中の、どっかの国の王子様の件。
自分の社員(妻)の希望を叶えたら
本社(王室)をクビになった、子会社の社長(王子)。
ザンネン!
《完》
経済と照らし合わせて考えることの必要性を述べた。
物事を経済の観点から眺めると
憎い、恋しいと八代亜紀の歌みたいに
盛り上がっていた感情が冷めて、事実が見えてくるからだ。
まず事実に向き合わなければ、納得も解決も無い。
生まれっぱなしの本能的思考であるイメージ先行は
自分の好みや、たかが知れている経験を重ね合わせた
ヤマ勘や空想に過ぎない。
ヤマ勘や空想に頼っていると、厄介な問題ほど
事実とかけ離れしまい、必ず行き詰まる。
言い方を変えれば、厄介な問題の多くには
経済が関与しているとも言えよう。
そして、事実と向き合うのが嫌なばっかりに
イメージの中に滞在し続ける方を選択する人が多いのも
また事実である。
ともあれ経済のフィルターを通して物事を眺めるのは
経営者の思考だ。
経営者は世間のニーズ、リスク、リターンなど
数字とデータを常に頭の中で並べ
それらを通して世の中を見ている。
憎い、恋しいの主観で頭の中をいっぱいにしていたら
倒産してしまう。
ちなみに我が家の社長と専務は
愛人恋し、嫁憎しで頭の中をいっぱいにしたため
会社を失った。
物事を経営者の頭で考える習慣は
サラリーマンにも主婦にも高齢者にも必要だと思う。
なぜなら人間は皆、『わたくし株式会社』の社長。
自分を経営して生きている。
与えられた仕事をきちんとこなすのも
周りの人と円滑に過ごすのも
わたくし株式会社の経営を順調に回すための企業努力だ。
人はもの心がつくと、大人や教師から教わる。
「相手の立場になって考えましょう」。
もっともな言葉である。
しかし勤め人が、経営者の立場になって
ものを考えることはほとんど無い。
それをやったら、不満が言えなくなるからだ。
経営者の仕事は
社員の希望を叶えて喜ばせることではない。
社員に給料を支払うことである。
降っても照っても、楽でも苦しくても
自分や、自分の命である会社をボロクソに言う社員にも
給料日には1円も欠かさず支払う。
経営者は、そのために存在する。
経営者は、自分が社員に何と言われているかを知っている。
自分や自分の会社だけでなく、家族のことまで
ボロクソに言われているのも知っている。
しかし、それを嘆く経営者はいない。
経営者は悪口を言われ慣れ、怨まれ慣れている。
また、会社に不満を持つ人の大多数は
自分を優秀な人材だと思っている。
「会社が欲しいのは優秀な人材」
このフレーズも、社会の常識として浸透している。
誰よりも働いている優秀な人材のはずなのに
他の人々と十把一からげに扱われていると思うと
腹が立つものだ。
しかし、「この優秀な人材」の条件は
雇う側と雇われる側とで少々違う。
雇われる側の考える優秀な人材とは
人の倍働いて、会社の利益にいささかでも貢献する人。
しかし、雇う側の考える優秀な人材とは
文句を言わず、休まない人。
雇われる側は、これがわからない。
ちょっとばかり文句を言ったって、疲れて休んだって
普段たくさん働いてるんだから、いいでしょ?
と思っている。
経済オンチほど、その傾向は強い。
だから経営者や上司に
「僕は、私は、こんなに頑張っているんです」
とアピールしたい。
しかし経営者や上司は
背中を曲げ、しかめっ面でパソコンをつついて
自分たちが近づいたって振り向きもしない者を
「頑張ってるね」とは思わない。
むしろ不機嫌で反抗的ととらえる。
姿勢を正して軽く会釈をするような余裕すら無いとなると
優秀とは言えないのだ。
双方の意識のギャップを知らないばっかりに
損をしている人もいると思う。
社長がベンツに乗るのは
裕福を見せびらかしたいからではない。
中にはそんな人もいようが、それはさておき
自分の身に何かあった場合
迷惑をかける人の人数が多いからだ。
取引先や支払先に迷惑がかかり、社員は路頭に迷う。
だから衝撃に強い車を選ぶ。
しょっちゅうゴルフや海外旅行に行って
いい気なもんだ‥
社長は社員からそんなイメージを持たれ
嫉妬から批判の対象になりやすい。
けれども毎月、期日に支払いをし
期日に給料を払うプレッシャーを始め
ライバルとの商業的な戦い
安定するほど増える罠や落とし穴
人の口にのぼりやすい私生活
今は大丈夫だとしても、いつどうなるかわからない恐怖
本当は誰も信用できない孤独など
社長の精神的消耗の度合いはサラリーマンの比ではない。
時に浮世から離れ
電話も来客も無い時間を過ごさなければ
やっていられない。
ちなみに我が家は
社長が浮世から離れる時間を持ち過ぎたため
会社を失った一例である。
このようなことを基礎知識として頭に入れてから
仕事や世間を経営者の眼で眺めてみてもらいたい。
仕事のほうはともかく、世間を見ると面白い。
面白い…それでいい、それがいいのだ。
例えば今話題沸騰中の、どっかの国の王子様の件。
自分の社員(妻)の希望を叶えたら
本社(王室)をクビになった、子会社の社長(王子)。
ザンネン!
《完》