曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

ホンダ・レジェンドを試乗した

2015-04-09 22:09:43 | クルマ
ホンダカーズ東京中央2015春の大試乗会、3台目の試乗車はレジェンドをチョイスした。

全長ほぼ5メートル。全幅ほぼ1.9メートル。車重ほぼ2トン。僕が運転したことがある中で最大の自動車である。似たようなサイズのクルマとしては、BMW 535i(F10型)を試乗したが、レジェンドは535iよりさらに大きい。

試乗車の色はオーキッドホワイトパールだった。後で調べたら白だとわかったが、現地ではずっと銀色だと思っていた。それくらいキラキラしたホワイトだった。

シートの表皮が高級そう(いや実際高級なんだと思うけど)で、濡れた傘を立てかけるのに躊躇した。つっぱり感のない座りやすい革のシートだった。

運転席は囲まれ感があって、かなりタイト。高級車なのにリラックスできない。シートの背もたれの角度調節のやり方がわからなくて戸惑った。当然フル電動シートである。

後ろの窓が小さくて遠い。サンシェードみたいなのが邪魔でよく見えないなあ、と思ってたら同乗スタッフが何か操作して、サンシェードがスルスルと格納された。

発進。静かで滑らかな加速だが、重苦しい。アコードの魔法の絨毯的な加速ではない。やはり車体が重いからか。乗り心地は意外に硬め。車重のせいか突き上げは穏やか。でも硬め。

どういう仕掛けかは分からないが、速度計と回転計が立体的でかっこいい。
非常に高い精度で工作されている感じだった。

ヘッドアップディスプレイに駆動力配分のCGと速度計が常時表示される。いちいち目線を下げなくていい。まさにヘッドアップ。

しばらくすると、そのヘッドアップディスプレイに40キロの速度標識が表示されてびっくり。同乗した営業マンも「私も仕組みはよくわかってない」という。後で調べたら、単眼カメラで実際の道路標識を認識しているらしい。営業マンが「次の角を曲がったら追い越し禁止が出ますよ」という。曲がったら、確かに追い越し禁止の標識が40キロの標識と並んで表示された。

3モーターの予習はしておいたが、ホンダセンシングはノーマークだった。ただただ驚く。でも、標識が出ても特にメリットはないなあ。

ヘッドアップディスプレイは意外に小さく、運転の邪魔にはならない。見え具合いもいい感じ。運転席以外の場所からは見えないらしい。

40キロ前後の試乗コースで、他の試乗車もたくさんいる状況で、駆動力配分としては、ほとんどリアの2モーターで走っていたようだった。でもFR的な挙動は感じない。3気筒を休止しているかどうかもわからない。状況的にほとんど6気筒すべてが稼動することはなかったと思うが。フロントモーターが動いたり動かなかったり回生してたりするのも、切り替わりがまったくわからなかった。DCTのダイレクト感も感じられず。変速感もなし。

リアモーターの駆動力を左右で変えて旋回しやすくする「トルクベクタリングシステム」の恩恵も、特に感じなかった。営業マンは小回り効いてるでしょう?と言ってたが、5メートルの割には普通に曲がれてるかな、という程度。BMW 535iの「インテグレイテッドアクティブステアリング」のほうが取り回しは楽だった。あっちはリアタイヤも曲げるってやつだけど。

たぶん、中高速コーナーではレジェンドが速い。低速コーナーおよび駐車場では535iが速いと思う。

ボタンが縦に並ぶギアセレクターは、やはり目で確認しながらじゃないと操作できなかった。「SPORTS」を押してスポーツモードにした後、通常モードに戻そうとして「D」を押しても何も起きない。何度押してもダメ。

仕方ないのでスポーツモードの走行性能を試す。アクセルを深く踏み込むと、間髪入れずにのけぞるようなGがかかり、巨体が猛然とダッシュ。さすが我が運転史上最強のシステム合計出力382馬力。

Dモードだともっさりしていて、アコードのような暴力的な加速感がまったくなかった。同乗スタッフは「車重があるので」と言っていた。が、スポーツモードにすると豹変した。大きなボディが一塊になって突進していく感じ。同乗スタッフはドヤ顔で「四駆ですから」と言った。

たぶん、レジェンドの凄さは運転してみないと分からない。680万円出せば、BMW 5シリーズやメルセデスEクラスが買える。レクサスGSなんかも競合しそうだ。クルマに興味がないお金持ちは、それらの分かりやすい高級車のほうを、何も調べずに選びそう。これじゃなきゃダメなんだという魅力が世間に認知されてないのが、トップ・オブ・ホンダの泣き所だろう。試乗した僕でさえ、レジェンドだと自慢しにくいなあ、680万あればセカンドカーとしてS660買って、余った400万円はS660用の駐車場代にしよう、なんて思うもの。

ちなみに、スポーツモード解除は「SPORTS」ボタン再度押しだった。5回目くらいでやっと気づいた。


あれが俺の試乗するレジェンドか、と思って撮ったのだが、あのシルバーのではなかった。かといって、手前のブラックでもない。実際に試乗したレジェンドは右手前の視野外にいたホワイト。


わざわさ停車させてもらって撮影。ヘッドアップディスプレイとメーター内に40キロ制限と追い越し禁止の標識が表示されている。

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