総裁選出馬を断念
岸田前政調会長をはじめ、高市前総務大臣、河野規制改革担当大臣、野田幹事長代行、石破元幹事長らが立候補に向けた動きをし、注目される自民党総裁選。その総裁選に出馬する意向を固めていた青山繁晴参議院議員だが、出馬を取り止め、高市議員の推薦人になるという。その理由とは。
自民党総裁選に出馬しようという思いに至った経緯~自分で血を流すべきである
飯田)更新されたばかりの青山さんのブログには、今回の総裁選でどなたを推すのかというところまで書かれていますが。
青山)1年前の菅政権の誕生と組閣、それがすべて自由民主党の既存の派閥によって差配されてしまった。1人の自由民主党の議員として、主権者に大変申し訳ないと思いましたから、いろいろ考えた末に、まずは1人きりで考えたことですけれども、私自身が総裁選に、つまり1年後となる令和3年9月の総裁選に打って出ようと考えました。
飯田)任期が来ますからね。
青山)常識外れもいいところで、まず参議院でなれるのかと。前に林芳正さんが挑戦して、大変苦労されたようで、いまは鞍替えを図っていらっしゃる。でも私は趣旨が違っていて、いま衆議院は小選挙区の制度ですよね。私は長年それに反対していまして、いまも変えるべきだと思っています。
飯田)小選挙区の制度を。
青山)一方、参議院は全国比例があって、まさしく全国のことを考える。ただし、多くは特定の団体の支持がついていらっしゃったり、あるいは得意な地域をつくられるのです。しかし、私は後援会もつくりません。後援会長も置かない、支持団体はぜんぶお断り、政治献金も誰からも受け取らない。まさしく日本のことだけを考える立場に、あるいは考えられる立場にあるのです。
飯田)日本のことだけを考えられる立場に。
青山)それから閣僚経験がない、党4役もやっていない。でも現場の専門家としての仕事は、外交安全保障、国家危機管理、資源エネルギー、メディアリテラシーなど、いくつかの分野で実績を積んで来ました。「民間の異業種から議員になるべきだ」ということも、この5年間主張しています。それをぜんぶ自分で謙虚にもう1度考え直すと、自分自身で、泥を被るという言い方はあまり好きではないですけれども、泥でも何でも被って、自分で血を流してやるべきだと思ったので、決心しました。
出馬の意向を安倍前総理にも伝えた
青山)去年(2020年)、「日本の尊厳と国益を護る会」幹事長の山田宏さんという、私の盟友の参議院議員に話をしました。また年が明けてから、護る会の事務局長の高木けいさんという、東京から出ている衆議院議員に話をし、安倍さんにも話をしました。私は完全な無派閥ですから、安倍さんにお話しする理由は本当はないのですけれども、山田宏さんが安倍さんの派閥に属していらして、「安倍さんが出馬に反対しないことが条件です」とおっしゃったのでお話をしたのです。
飯田)条件を満たすために。
青山)そこで7月28日に、安倍さんに電話でお話をして、8月6日にお目にかかり、お伝えしました。そのときはまだ、私は高市さんの出馬を知りませんでした。
高市議員の出馬を知り、自らの出馬を断念
青山)その後、高市さんの出馬を知り、安倍さんからも聞きました。そこで私が思ったことは、高市さんと私は、税制についての考えは違うのですけれども、皇位継承の父系一系による安定、経済安全保障が大事で、それはスパイ防止法とも一体のものである。あるいは財政出動を果敢にやって、いまの経済苦境を打ち破りましょうという、根幹のところが一致しているのです。このまま2人が総裁選に出ると、間違いなく支持層が分断されます。