「神はサイコロを振るのか」とまで言ったアインシュタイン、やはり無神論者だったか。しかしスピノザの汎神論自然主義までは現代科学でも許される。
純粋な思考に神はいない。純粋なという意味は自己展開可能な最小限のベースを持つという意味で、宇宙進化こそが最も古い思考である。人間はその自己写像の最近の一部にすぎない。
ロヴェッリのこの本から何も得られなかった。私がすでに十数年前に得た結論「相互作用しないものは存在しない」を無意味という世界に後退させただけだから。スモーリンの話の方が面白いかもしれない。
世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論
帯紹介
須藤靖[ストウヤスシ]
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授。1958年、高知県安芸市生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。同大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了(理学博士)。専門は宇宙物理学、特に宇宙論と太陽系外惑星の理論的および観測的研究
時空は、本質的に連続で滑らかな値をとるものと考えられてきたが、この理論で時空は、結晶格子のように離散的な値をとるものと考えられている。このため、時空を連続的なものととらえたときに起きる短距離極限の発散が生じないという利点がある。一般相対性理論から要求される座標変換に対する形式不変性を守りながらこのような時空構造を与えることに成功した量子重力理論はループ量子重力理論のみである
https://youtu.be/WgLo4gmEraU
↑このインタビューで面白いところは、リアルとは何かと聞いた司会者に 私たちは知らない と答えている。
スモーリンは、Ted Jacobson、カルロ・ロヴェッリ、Louis Crane、Abhay Ashtekarなどとの共同研究でループ量子重力理論(LQG)に貢献した。 LQGは、ゲージ場理論の言語における一般相対性理論の再定式化を利用する一般相対性理論と量子力学の統一へのアプローチであり、粒子物理学の技法、特にループのダイナミクス。 ロヴェッリは、領域と体積の離散性を発見し、スピンネットワークの観点から量子ジオメトリーの離散的な記述の点で自然な表現を発見しました。近年彼は、時空間対称性の実験的試験のための示唆を発展させるとともに、素粒子およびそれらの相互作用が時空間ジオメトリから出現する可能性を調べることによってLQGを現象論に結びつけることに焦点を当てている。
スモーリンの宇宙論的自然選択仮説は、宇宙を産む宇宙論とも呼ばれ、生物的自然選択に類似したプロセスが最も大規模に適用されることを示唆している。スモーリンは1992年にそのアイデアを発表し、『The Life of the Cosmos.1997年』(邦訳:宇宙は自ら進化した―ダーウィンから量子重力理論へ,日本放送出版協会,2000年)として出版した
東京大学大学院の金子邦彦教授(現在はNiels Bohr研究所に所属)との共同研究では、「統計物理のレプリカ対称性が解き明かす表現型進化の拘束と方向性」と題して、新たな理論を開発した。次のような内容だ。
遺伝子の発現量のパターンは、環境変化が起こってもそれほど変わらないことが実験で分かっている。遺伝子発現に関わる要素が変化すれば発現パターンは変わるため、本来ならば発現パターンは膨大であるはずだが、実際にはその中の一部しか発現していない。
遺伝子からどんなタンパク質ができるかは、基本的に遺伝情報に従う。しかし実際のプロセスは分子の反応であり、分子は熱ゆらぎなどの影響を受けて予測不能な動きをすることがある。坂田らは、そうしたノイズがある環境下で進化した結果、発現したパターンが一部のものに限られていることをモデル上で再現した(図7)。