ノーベル化学賞受賞の根岸先生が北海道大学触媒化学研究センターと人工光合成の研究に着手するという。ビジネスとしても興味深い。すでにこの分野は紫外線である程度結果がついてきているが、可視光線でしかも炭酸ガスの同化までは進んでいない。水素を可視光線で効率よく発生させるだけでも産業インパクトは大きい。
あまり知られていないが、自然の光合成でも水素(プロトン)を発生させるところまでは効率がいいが、ATPを合成する段階で著しいエネルギーロスがあり、30分の1くらいしか水素エネルギーが化学結合のエネルギー(高エネルギーリン酸結合)に転換利用されない。人工触媒がこの効率を10倍上げるだけでも、世の中は大きく変わる。
あまり知られていないが、自然の光合成でも水素(プロトン)を発生させるところまでは効率がいいが、ATPを合成する段階で著しいエネルギーロスがあり、30分の1くらいしか水素エネルギーが化学結合のエネルギー(高エネルギーリン酸結合)に転換利用されない。人工触媒がこの効率を10倍上げるだけでも、世の中は大きく変わる。
植物が行っている光合成を人工的に実現することで、石油資源の枯渇や地球温暖化など人類が抱える問題の解決を狙う。
根岸さんらが開発した「クロスカップリング」をはじめ、現在は多くの有機合成技術があるが、光をエネルギー源に、二酸化炭素から物質を作る人工光合成は実現していない。
根岸さんらの研究プロジェクト創設の呼びかけには、全国の120人以上の研究者が賛同した。具体的な中身を今後、煮詰める。
(2011年1月18日20時41分 読売新聞)