公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

イノベーションの場所

2011-01-02 08:25:40 | ドラッカー
Torvalds氏は「イノベーションが起こる場所の変化」について、次のように答えている。

 「全く別の(時には競合し合う)二つの技術に関係を見出し、一つに組み合わせることで素晴らしい何かが生まれることがある。音楽と小さな電子機器を組み合わせて、携帯型MP3プレイヤーが生まれたようにね。オープンソースの分野でそのようなイノベーションはどこにあるか。たとえば、コンシューマー製品の代表格であるTVとオープンソースを組み合わせて、インターネットアクセス機能を提供してYouTubeを閲覧できるようにする。TVとオープンソースとインターネットを組み合わせるのは、天才の仕事ではない。しかし、元々別のものを一つに統合し、全く新しい何かを作る試みは、非常に明解で重要なステップだ。オープンソースが素晴らしいのは、他の何かと統合しやすい点にある」


第1に、製品、サービス、プロセスはすべて、損益分岐点に達した日から陳腐化を始めるものと覚悟する。第2に、自らの製品、サービス、プロセスを陳腐化させることが競争相手による陳腐化を防ぐ唯一の手立てであると知る。第3に、研究開発を純粋と応用に分けるという19世紀の区分は忘れる。第4に、物理、化学、生物、数学、経済学はそれ自体が研究対象とすべき体系ではないことを知る。いずれも手段である。第5に、研究開発は3つの活動からなることを知る。カイゼン、展開、イノベーションである。第6に、狙いを高くする。第7に、長期と短期の成果が必要であることを知る。短期の成果だけでは満足できない。だが短期の成果こそ、あとに続く長期のプロセスの第一歩でもある。第8に、研究開発は独立した作業ではあるが、独立した機能ではないことを知る。第9に、既存の製品、サービス、プロセスのみならず、研究プロジェクトそのものまで体系的に廃棄していく。第10に、研究開発もまた、他のあらゆる活動と同じように量的に評価する。

「研究開発の成否の鍵は、研究開発にかかわる10の原理を知ることにある」
「研究開発の成否の鍵は、知識でもなければ知力でもない。激しく働くことでもない。いわんや幸運でもない。10の原理を知ることにある」

     ドラッカー 『未来企業』

 ドラッカーは社会全体を見渡して、研究開発を時間空間、寿命を立体的に組み上げる戦略を未来企業で語っている。これは起業でも同じ。成熟した企業は捨てる事から始めるのが体系に意識を向ける契機になる。


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