公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

明白な未来の刻印

2010-05-17 15:10:29 | マキャヴェッリ
「経済的な能力をわきまえずに、負担しきれない社会的責任を果たそうとするならば、直ちに問題が発生する」

   ドラッカー
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ちなみに、日本にもこういう時代があった。
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昭和33年度経済運営の基本的態度

    昭和32年8月30日 閣議決定

 「今後の経済の見通し」(昭和32年8月30日閣議了解)に基き、「昭和33年度における経済運営の基本的態度」は次のとおりとする。
1 33年度における経済運営の第1義的目標は、国際収支を大幅に改善して経済の長期的発展の条件を整備することにおき、当面経済の発展は控え気味とし、着実な経済成長をはかることをその基調とする。
2 国際収吏の改善と健全な経済成長のためには、輸出の増大が不可欠の要件であることにかんがみ、各般の施策をこれに集中するものとする。
3 輸出の増大のため、国際的に割高な物資の価格を是正するとともに、輸出商品の価格を適正な水準において安定せしめるものとする。
4 経済動向の現況及び見通しにかんがみ、中央地方を通ずる財政規模については、いやしくもそれが景気に対して刺激的要因とならざるよう、極力抑制につとめるとともに、財政支出及び財政投融資の重点化効率化をはかるものとする。
5 投資活動の過度の膨張をさけ、その適正化をはかるため、産業界及び金融界の協力を求め、設備投資の実体の把握及び必要な調整につとめるものとする。
6 消費需要の抑制と貯蓄の増進について国民の協力を要請するとともに、消費の内容についても外貨節約の見地から、さらにその改善について国民の理解を深めるよう配慮するものとする。
7 上記の経済運営の方向に関連して、過渡的に雇用面及び中小企業部門に問題の生ずることも考えられるので、これが対策に遺憾なきを期するものとする。

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(わたしの考え)
 昭和33年まではモノ不足資金不足の時代だけに全体に抑制が効いている。しかし今にして思えばなんと傲慢な政策だろう。
 「中央地方を通ずる財政規模については、いやしくもそれが景気に対して刺激的要因とならざるよう」、
 「消費需要の抑制と貯蓄の増進について国民の協力を要請」
 などと政府が言っていた時代であった。
 しかしこの傲慢は今に連続している。
 政府は自分たちの指導で50年経てば豊かな國になるだろうと思っていたのかもしれないが、この傲慢な君主のような統制経済を修正しなかったために、われらには明白な未来が待っている。将来国民の預金を当てに資金運営する事はこの時点で運命づいていたのだ。



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