「コミュニティと家族は安定のためのものである。安定を求め、変化を阻止し、あるいは変化を減速しようとする。しかしわれわれは、人の手によるあらゆるものが歳をとり、硬直化し、陳腐化し、苦しみに変わることを知っている。 」
P・F・ドラッカー
「動的な不均衡状態」
「社会生態学は、医学、法学、あるいは自然生態学と同じように実学である。その目的は、継続と変革のバランスを図ることである。動的な不均衡状態にある社会をつくることである。そのような社会のみが、安定性を持ち結合力を持ちうるからである。」
P・F・ドラッカー
『新しい現実――政府と政治、経済とビジネス、社会および世界観にいま何がおこっているか』(1989年)
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(わたしの考え)
安定と定常は流れが異なる。これからの社会が必要としているのは安定状態ではなく、動的不均衡がつくり出す定常、すなわち満足度の高い統治は、単純な安定ではなく定常状態の永続である。川の流れのようなもので、護岸をがっちり固めたものではなく柔らかく適合する物ほど長持ちする。思いがけぬ逸脱もあるが、概ね健全な安定を指向するのが日本人の傾向と智慧だ。
政治支配も組織支配も同じで、同じ曲やアーティストがいつもトップ10を占めていたら、つまらない。定常は流れていて、いつも顧客を満足させるもの。
政治においても安定は多数によって生まれるが、定常状態はプロセスとシステムによって生まれる。
満足度の高い統治にむけた政治にもイノベーションが必要になっている。それはまさに建築と同じであり、都市の更新と似たエコシステムの知恵が試されている。
ロシアの国民性は独裁を好む。プーチンとメドヴェージェフ関係の様に永続循環可能な関係を持つ支配の発明のように国民性にあった支配が創出されてくるならば、日本も安定な國になることだろう。
そのために、我が国は小選挙区制を廃止して中選挙区制に戻す。
日本人の白黒二分を好まない国民性に合わせた政党政治を離れた選挙制度に変える必要がある。
たとえばこうである。
(民主主義の修正)
代議士と有権者の委任関係を回復する。そのために権力の源泉を代議士から有権者と代議士の間に立つ選挙人の方に引き戻す。代議士の数を大幅に減らし、政党助成金も大幅に減らす。代議士は単なる契約による受託者となり、その任期中改選前の入れ替わり(定常)を活発にする。
代議士の変節や官僚による懐柔を監視するために、選挙人綱領に基づく候補者予備選抜を実施して選挙人綱領にそわない候補は当選後もいつでも罷免できる強い民意反映機関が必要。そのためには数による権力の源泉を代議士から選挙人の方に引き戻す。
すなわち選挙人が代議士を指名する1選挙区1選挙人独裁によるフレキシブル民主主義である。
300区480名もの代議士はいらない。全国300区を100区にまとめて、各区で2名の代議士を選出する。すなわち衆議院は200議席、参議院は廃止。
勿論選挙人は国民が綱領を基準として直接選挙により選出する。
選挙人自身は国会に出ないで代議士に委任する。従っていつでも選挙結果と切り離して解任、選任できる。政党の役割は今の姿よりもむしろシンクタンクの姿に近い。
党自ら提出する綱領を基準とした選挙人を増やす活動を通じて党の目的を実現する自由が政党にはあるが、選挙人は政治団体に所属してもしていなくてもいい任意の存在で、民意実現の監視者としての役割を果たす。選挙人と代議士は兼任できない。代議士はむしろエージェントに近い。たとえ代議士が大臣でもエージェント契約を適法的に切られると直ちに失職する。
その代り選挙人は刑事罰で資格を喪失する弁護士、弁理士、社労士、税理士、公認会計士医師、薬剤師、建築士、選挙人資格などの公的資格を持つ職業人の責任を以てその執行の公平性を担保する。一般国民が投票するのは選挙人のつくる地域選挙区の実情に対応した綱領とその誠実な実行者=代議士を選択する選挙人となる。すなわち選挙人の不正は生活基盤を失う重大な罪として処罰される。
選挙人は書面を以て政策とその代議士候補を選挙区の有権者に提示するが、自ら選挙運動はしない。政党と選挙人の関係は選挙期間を通じて接触を禁止する。選挙準備期間中の政策調査立案の実費は公的に保障するが、無報酬を原則とする。
いわば選挙人は国民の委任状を束ねる人物であり、委任状は政党の所有物ではない。
代議士は選挙人綱領の忠実な受託者として活動する限りにおいて報酬を得る。
代議士の役割は立法の実務すなわち法案の作成、提出、議事投票に限られる。
行政は法によってのみ執行され、認可権威による非立法の通達、指導などの執行は代議士が監視し、告発する。
この制度によると政党政治は終わる。被選挙人資格は大幅に狭められるため、憲法の改正が必要。さらに言えば選挙人独裁、根本的に被選挙人として自由参加する古典的デモクラシーを否定した制度となる。
P・F・ドラッカー
「動的な不均衡状態」
「社会生態学は、医学、法学、あるいは自然生態学と同じように実学である。その目的は、継続と変革のバランスを図ることである。動的な不均衡状態にある社会をつくることである。そのような社会のみが、安定性を持ち結合力を持ちうるからである。」
P・F・ドラッカー
『新しい現実――政府と政治、経済とビジネス、社会および世界観にいま何がおこっているか』(1989年)
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(わたしの考え)
安定と定常は流れが異なる。これからの社会が必要としているのは安定状態ではなく、動的不均衡がつくり出す定常、すなわち満足度の高い統治は、単純な安定ではなく定常状態の永続である。川の流れのようなもので、護岸をがっちり固めたものではなく柔らかく適合する物ほど長持ちする。思いがけぬ逸脱もあるが、概ね健全な安定を指向するのが日本人の傾向と智慧だ。
政治支配も組織支配も同じで、同じ曲やアーティストがいつもトップ10を占めていたら、つまらない。定常は流れていて、いつも顧客を満足させるもの。
政治においても安定は多数によって生まれるが、定常状態はプロセスとシステムによって生まれる。
満足度の高い統治にむけた政治にもイノベーションが必要になっている。それはまさに建築と同じであり、都市の更新と似たエコシステムの知恵が試されている。
ロシアの国民性は独裁を好む。プーチンとメドヴェージェフ関係の様に永続循環可能な関係を持つ支配の発明のように国民性にあった支配が創出されてくるならば、日本も安定な國になることだろう。
そのために、我が国は小選挙区制を廃止して中選挙区制に戻す。
日本人の白黒二分を好まない国民性に合わせた政党政治を離れた選挙制度に変える必要がある。
たとえばこうである。
(民主主義の修正)
代議士と有権者の委任関係を回復する。そのために権力の源泉を代議士から有権者と代議士の間に立つ選挙人の方に引き戻す。代議士の数を大幅に減らし、政党助成金も大幅に減らす。代議士は単なる契約による受託者となり、その任期中改選前の入れ替わり(定常)を活発にする。
代議士の変節や官僚による懐柔を監視するために、選挙人綱領に基づく候補者予備選抜を実施して選挙人綱領にそわない候補は当選後もいつでも罷免できる強い民意反映機関が必要。そのためには数による権力の源泉を代議士から選挙人の方に引き戻す。
すなわち選挙人が代議士を指名する1選挙区1選挙人独裁によるフレキシブル民主主義である。
300区480名もの代議士はいらない。全国300区を100区にまとめて、各区で2名の代議士を選出する。すなわち衆議院は200議席、参議院は廃止。
勿論選挙人は国民が綱領を基準として直接選挙により選出する。
選挙人自身は国会に出ないで代議士に委任する。従っていつでも選挙結果と切り離して解任、選任できる。政党の役割は今の姿よりもむしろシンクタンクの姿に近い。
党自ら提出する綱領を基準とした選挙人を増やす活動を通じて党の目的を実現する自由が政党にはあるが、選挙人は政治団体に所属してもしていなくてもいい任意の存在で、民意実現の監視者としての役割を果たす。選挙人と代議士は兼任できない。代議士はむしろエージェントに近い。たとえ代議士が大臣でもエージェント契約を適法的に切られると直ちに失職する。
その代り選挙人は刑事罰で資格を喪失する弁護士、弁理士、社労士、税理士、公認会計士医師、薬剤師、建築士、選挙人資格などの公的資格を持つ職業人の責任を以てその執行の公平性を担保する。一般国民が投票するのは選挙人のつくる地域選挙区の実情に対応した綱領とその誠実な実行者=代議士を選択する選挙人となる。すなわち選挙人の不正は生活基盤を失う重大な罪として処罰される。
選挙人は書面を以て政策とその代議士候補を選挙区の有権者に提示するが、自ら選挙運動はしない。政党と選挙人の関係は選挙期間を通じて接触を禁止する。選挙準備期間中の政策調査立案の実費は公的に保障するが、無報酬を原則とする。
いわば選挙人は国民の委任状を束ねる人物であり、委任状は政党の所有物ではない。
代議士は選挙人綱領の忠実な受託者として活動する限りにおいて報酬を得る。
代議士の役割は立法の実務すなわち法案の作成、提出、議事投票に限られる。
行政は法によってのみ執行され、認可権威による非立法の通達、指導などの執行は代議士が監視し、告発する。
この制度によると政党政治は終わる。被選挙人資格は大幅に狭められるため、憲法の改正が必要。さらに言えば選挙人独裁、根本的に被選挙人として自由参加する古典的デモクラシーを否定した制度となる。