公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

<害をなさない善>あってこそ真摯なトップマネジメント

2010-05-19 21:28:50 | 日記
「組織に必要とされるものは、真摯に仕事をする有能なトップマネジメントであって、超人ではない。今日何人かのスーパーマン的なトップがいるということ自体が、トップマネジメントの危機を表している。」
ドラッカー

「社会は完全でないというだけで転覆させるわけにはいかない。」
   
   エドマン・バーク
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「君主、特に新しく君主となった者は、人が重んじることをすべて守ることなどできないし、また国家を維持するためには、信義[“contro alla fede”]や友情や人間性や宗教に反した行いをせざるをえないことも、多々あるのだということを、理解しておかなければなりません。それだから君主は、風向きや運の変化が強いるままに、いつでも心変りできるようにしておく必要があるのです。けれど、前に言ったように、善から逸脱しなくてすむのなら、逸脱すべきではありません。しかし、強いられたなら、善を逸脱する方法を知っておくことも必要なのです。」
   「君主」 第18章 君主が信義を守るやり方について
   「この章はマキャヴェリの著作のどれよりも激しい攻撃を受けてきた」Burd, “Il Principe,” p. 297.
   マキャヴェッリ
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 ドラッカーが真摯にと言う一語には、実践と臨場の足場がこめられている。
 他方で誰にでもその立場にあれば、真摯な仕事は着手可能と言っている。
 ドラッカーは変革を強調したが、つねに漸進的やり方を推薦している。エドマン・バークの影響があると言う。

(わたしの考え)
 トップマネジメントが急進的な変革に暴走する状況にはほとんどの場合メリットがない。但し、害を為さないと言うトップの確信<害をなさない善>が在るのなら、状況は別だろう。
 たとえばソフトバンクの孫正義氏の場合、Vodafone買収は、暴走経営そのものだったと思う、もちろん孫正義氏ご本人の思考の中では<害をなさない善>であった。もしiPhoneの権利が取れてなかったら、デザインだけで勝ち残れたかどうかは疑わしいと思う。
但し、収益増と手金の範囲でやっていた孫正義氏の初期の勝負は、参考になるトップマネジメントと私は思う。

 収益を得るための革新には害をなさない順に行うのが上策である。顧客の獲得、収益性商品、販売の仕組み、人材育成の中で言えば、人材育成が上策だろう。他の3つには利害関係者(特に外部)がいるので軋轢を生じることは必至となる。それだからといって商品開発も販売システムもマーケティングも行わないトップはいない。
 
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