公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

先頭からしか見えない景色

2010-05-20 21:59:34 | ドラッカー
「変化はコントロールできない。できることは、その先頭にたつことだけである。」
「急激な構造変化の時代にあっては、生き残れるのは、自ら変革の担い手、チェンジ・リーダーとなる者だけである。」「したがって、このチェンジ・リーダーとなることが、あらゆる組織にとって、21世紀の中心的な課題となる。チェンジ・リーダーとは、変化を機会としとらえる者である。変化を求め、機会とすべき変化を識別し、それらの変化を意味あるものとする者である。」  

   ドラッカー「チェンジ・リーダーの条件」

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 日本の製薬会社の研究開発をみていると先頭に立つ気概を感じるのは稀に思う。出来上がったパイプラインにお金をつぎ込むか、囲い込みが可能な案件に興味を示し、ことにリスクの低い開発品目にどん欲にむしゃぶりつく。変化が市場を終わらせる事など眼中に無い。保険医療制度が維持出来ないことは明白な状況で、収益の低下が自分たちのポジションを終了させることに気づいているが、そのことにイノベーションが関係することに気を止めてもいない。
 クスリを買えない貧者の為の最新医療や、もう少し購買力のあるボリューム層をターゲットにしたナチュラルメディシンには大いに可能性がある。イノベーションとは技術だけの概念では無い。
さて、変化は必ず津波のようにやってくる。先頭に立つ者が有利なのは、先頭からしか見えない景色があるからだ。市場の破壊が起こる時には、規模の大小は関係なく誰にもチャンスが訪れる。覚悟と構えが必要。

 ファイザーがほんの30年前までどの程度の規模の会社だったか思い出してみるといい。1989年はベルリンの壁が崩壊した年だが、日本の医薬品生産額で循環器系医薬が抗生物質を抜いた年でもあった。まさに大変化の兆しだった。そのころのファイザーは日本では確かまだ台糖ファイザー。農薬と抗生物質の会社だった。


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