公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

中国の経済発展

2010-05-12 18:19:02 | 日記
経済発展は、社会的目的の達成を約束するかぎりにおいてのみ望ましい。

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 経済発展の途上では、常に何かが不足する。
 それが資源、資金、労働力。いずれであっても地の利が必要で、どのような幸運に恵まれた国であっても制限因子となるものが社会の中にある。日本人はもう忘れてしまったが、50年前、資金も、労働力も不足していた。幸い世界銀行や東北農村がそこを埋めた。次に豊かになった先行移住者の住宅が不足した。美濃部知事の時代、東京ではゴミ処理場が不足した。次から次へと波のように社会的不足が連鎖する。
 今日 日本に溢れる余分で無駄なものはこうした社会的要請の政治的リアクションの残骸である。それが国民をどれだけ苦しめておるかは説明の必要はないだろう。
 今の中国を見ていると、あまりに背景人口が供給過剰なため、やがて個人が国家の目標を超えて飛び出してしまうだろう。しかもその速度は日本の経験を勝り、製造業主流の段階をすぐにこえてくる。
 やがて先に豊かになれた者が、押し寄せてくる貧者を資源の消耗者として敵視する段階が始まる。開放政策の目的が見失われ幾何級数的に成長する目的を前提とした社会に組み変わらなければならない。やがて沿岸部の産業は労働力を必要としない金融とIT産業、知識産業に入れ替わる。膨大な余剰人口を地方に帰すしかなくなる。個人の欲求が社会的目的とは関係なく繁栄の陰に隠れて病巣を生み出す。
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