公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

顧客への貢献によってイノベーションを評価する

2010-05-21 09:15:09 | 日記
「イノベーションの真贋は、価値を創造しているかによって判定される。イノベーションとは、顧客にとっての価値の創造である。新奇さは面白いだけである。
 ところが組織の多くが、毎日同じことを行ない、同じものをつくるのに飽きたというだけで新奇なものに取り組む。しかし、イノベーションであるか否かは生産者が決めるのではない。顧客が欲し、その代金を支払うことによって決まる。」

「イノベーションに優れた組織は、科学的あるいは技術的な重要度によってではなく、顧客への貢献によってイノベーションを評価する。技術的なイノベーションと同じように、社会的なイノベーションを重視する。事実、二〇世紀になされた偉大な技術進歩の大半よりも、分割払い販売のほうが経済と市場に与えた影響は大きかった。」

   ドラッカー『マネジメント・フロンティア―明日を支配するもの』

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日本のイノベーションをグリーンイノベーションとライフイノベーションという2輪で戦略を創ろうという国の役人の動きがある。それはそれで結構だと思うが、ドラッカーが指摘するように、新規なものがイノベーションではない。また技術だけがイノベーションでもない。

顧客の満足度を考えれば、自ずからどの分野のイノベーションが必要か答えが出てくる。この国でもっともイノベーションが進んでいない分野は、公的分野だろう。浄化槽設置と浄化槽管理の省庁が国土交通省と環境庁に分かれているような縦割りは最も原始的なマネージメント(縄張り)のまま放置されてる。国民が幸せに便利に快適に暮らせるイノベーションは太陽電池よりもエコ住宅よりも、役所窓口の情報化にあるだろう。同じくらいイノベーションが必要なのが政治と司法そしてメディア。こちらは過去の遺産で食ってゆきたい利害関係者が多すぎて調整がつかない。すくなくとも原始的なマネージメント=なわばりをとりはらって新規参入を促進しないと人材が集まらないことで劣化が進んでいる。焼け太り的悪知恵を排除できない政治の大衆蔑視に日本人は見透かして飽き飽きしている。

答えは簡単で、国民の満足度をすべての分野で測定することから始める。太閤検地と同じ発想で、日本の政策優先順位を国民の満足度で測定し、これに従って予算を配分することを高々と掲げるリーダーが必要。
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