公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

戦争の変容

2016-12-30 11:29:34 | 意見スクラップ集
私たちは戦争というと第二次大戦や大東亜戦争を思いがちだが、戦争の外観を数値で見るとこのように変わっている。






戦争は絶対数が減っている。特に国家間戦争は減り、市民が多く直接に犠牲になっている。この戦争の変容を無視する反戦派は国家を色付けてみる以外能がない。戦争はもはや勝手に始めることができない。これが過去である。

自主的に国家戦争(国家による継続的戦闘行為)に着手できるのは、米国以外では中国とロシアしか無い(一定の条件が整えばイスラエルも)。これは言うまでもなく核兵器保有の結果である。
但し、この先も国家戦争が減るかどうかは戦争の果実の大きさによる。戦争の果実が小さく、あるいは副作用が大きい状況がグラフのような傾向をほぼ30年にわたって実現してきた。副作用とは言うまでもなく報復のことであるが、今一番報復(その実質リスク)が減少しているのがロシアである。オバマの米国は完全にロシアの効果的な軍事行動に負けた。オバマは国家戦争の副作用を過信していたのである。

もはやオバマのようなマインドセットは時代遅れとなった。戦争の変容は二次変容している。それが現在である。戦争が変容しているのであれば、当然反戦も変容するべきだが、それがない。正義原理主義者には現実の(この場合国家戦争)変容が自分たちの原理に影響をあたえるということを予め拒否している。国家戦争の時代から、国家腐食攻撃の時代になっても、国家戦争主体の時代のまま戦争の原因を悪玉国家に据えようとするから、市民の犠牲を減らすことに成功していない。むしろ安々と本当の戦略を隠したい腐食攻撃側の先棒を担いでしまう。80年代クリントン以来の民主党、特にオバマのように国家戦争の果実の副作用を用心または過信して、見えにくい戦争=国家腐食攻撃に力点をおきすぎると、対立する国家の決定に虚を突かれる。米国がロシアと中国にやられている原因はこの30年間のマインドセットが捨てられなかったことに原因がある。

20161231『【モスクワ真野森作】「オバマ政権がこのような形で仕事を終えることを残念に思う」。米国の対露制裁について、プーチン露大統領は30日、声明で淡々と言及した。露側としては報復措置をあえて実施せず、対露関係改善に積極的なトランプ次期大統領の今後の対応を注視したい考えとみられる。

 ペスコフ露大統領報道官は29日、露メディアに対し今回の制裁を「事実無根で国際法違反だ」と非難し、(1)米露関係の決定的な阻害(2)トランプ次期政権の外交プランへの打撃--という二つの目的があると強調した。

 2012年に発足した第2次プーチン政権とオバマ政権の関係は当初から良好ではなかった。オバマ氏は同性愛者を巡る人権状況を主な理由に14年2月の露南部ソチでの冬季五輪開会式に参加せず、五輪終盤に起きたウクライナ危機で対立は決定的となった。

 米大統領選を狙ったサイバー攻撃も、長引く米露対立が背景にあるとみられる。ロシアは、ジョージア(グルジア)やウクライナなどの旧ソ連諸国で起きた政変の黒幕を米国政府とみなし、繰り返し非難してきた。米国に影響圏を侵食されてきたとし、米大統領選で反転攻勢に出た形だ。トランプ氏の当選後は、新政権発足後に米露関係を仕切り直そうとのプーチン政権の姿勢が明白になっている。

 また今回の制裁は日露関係にも影響しそうだ。安倍晋三首相とプーチン氏は今月中旬、北方領土での共同経済活動の協議開始で合意し、日露の経済協力も拡大していく方針。安倍首相は来年も訪露する強い意欲を示している。外交筋は「日露関係の進展は良好な米露関係の方がやりやすい」とみており、トランプ氏の対応とロシアの反応が焦点となりそうだ。』
毎日


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« January 20th is fast approa... | トップ | BBCも日本人を歪めて伝えよう... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。