シマジ主義の本である。島地氏語録と言えば、言わずと知れた、愛すべきシガーとシングルモルトと大人の悪戯(わるさ)などを、チャーチルなどを見本に自己正当化する人生という遊び(冥土までの暇つぶし)の教本である。
知る悲しみを笑う悲しみ。それほど暇つぶしに成功していない私の推薦ですが、よろしければどうぞ。
引用から。
「マルタ島には自慢すべきお宝が3つある。第一のお宝は、16世紀のヨハネ騎士団とオスマン・トルコ軍の激戦の跡が刻まれた城砦だ。」
「今日の異端はあしたの正当
日本でまとめてカラヴァッジョの作品を見られるのは、徳島市の大塚国際美術館である。精巧な陶板焼きでつくられたコピーだが、大きさと額と照明は本物が飾られている美術館と一緒である。」
愛すべきあつかましさこそが人生の武器になる
「あつかましくないと生きていけない。しかし、愛すべきあつかましさでないと生きる資格がない。」
もちろん、これは、言うまでもなく、レイモンド・チャンドラーが生み出したハードボイルド小説の探偵。フィリップ・マーロウ(Philip Marlowe)のセリフのモジリ。
行ってみたいなマルタ島
淡路島でもいいけど。
昔、<飲む打つ買う>なんて男の基本所作のように言われていたが、若い人には打つは<鬱>か覚せい剤を打つと思うかもしれない。これを代替する大衆的ゾーンに広げた<食う寝る遊ぶ>というコピーもあったが、<飲む打つ買う>には勝てっこない。<飲む打つ買う>を全否定すると堅物と言われる人間だが、<食う寝る遊ぶ>を全否定すると恐ろしいモンスターになる。ロボットが人を追い出してゆく。シガーとシングルモルトとユーモアだけは人間から奪えない。そのようなシマジ主義は存在する輝きがある。
日本の作品もコピーでいいから、一箇所に集めて欲しい。展覧会や、美術館はまるでストリップ劇場の興行のように少しずつ、違う場所で公開されている。このコストが下がれば、文化の度合いはぐっと高まる。精巧なコピーをみたら本物が見たくなるものである。各地の美術館の広告展示会と考えれば良いではないか。