公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

運命は女?

2011-02-21 17:14:35 | マキャヴェッリ
「私の結論では、運命は変わりやすく、また人間は自分のやり方に固執するものだから、この二つが一致するかぎりは成功し、それらが合わないと失敗することになります。私としては、慎重であるより、果断な方がましだと思います。なぜなら運命は女であって、服従させておくには、彼女を打ちのめし酷使する必要があるのです。それに運命は冷静にことを進める人よりも、大胆不敵な人に支配されるのを認めるようです。それで、運命はいつでも女のように、若者の愛人なのです。なぜなら、若者は慎重さに欠け、粗暴で、厚かましくも女を意のままにするのですから。」

   「君主」 第25章 運命が人間の諸事に及ぼす効果と運命に対抗する方法
   マキャヴェッリ



 モハメッド・アリではないが、動き回り一撃を与える方が、待ち伏して虚を捕らえるよりも遙かに有効である。ただし動き回れるだけの資源と兵站が必要。ネコ科の動物でもえさの豊富なところに陣取るライオンは動き回るが、その他のネコ科は待ち伏せ型の戦略。エネルギー量が豊富な時の支配戦略と消耗持久戦の時の戦略はまったく構図が異なる。

 石油エネルギーは人類の運命を組み伏し、従わせる強力な方法であった。すくなくともこの100年はそれが常識だった。
 しかし昨年のチュニジアのジャスミン革命からエジプト、リビア、バーレーンと不安定化するアラブ世界は、滅び行く種族である人類という<運命の狩人>の見込みを狂わせ始めている。資源面で石油井戸はすでにピークを越え、ライオンのように動き回る種族の優位性を保証していたテリトリー中東から独裁が失われようとしている。ライオンはライオンであることを急には止められない。圧倒的な優位をもたらす戦略を捨てることも出来ない。マキャベッリの言うように運命を酷使しなければならない。

 従って動き回れる体力がライオンたる米国に残っているうちに一撃を与えなければ油井テリトリーを失い、種族が滅んでしまう。

 マクドナルド前に集合する中国の若者たちは、来週にはもっとふくれあがるだろう。運命が女ならば。
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