公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

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『マルクス最後の旅』 ハンス・ユルゲン・クリスマンスキ, 猪股和夫訳

2016-09-29 14:39:00 | 今読んでる本
マルクス最後の旅
ハンス・ユルゲン・クリスマンスキ, 猪股和夫
Kindle 版


優雅な上流階級の生活をしたカール・マルクスの生活と病気を垣間見る。

『モナコは 、厳密な意味で 『政治 』であり 『国家 』であり 『政府 』である 。コンダミ ーヌはどこにでもある 『プチブルジョア 』社会だ 。だが 、モンテカルロは 『楽しむところ 』で 、賭博場があるおかげでこの三位一体の財政的基盤になっている 。奇妙なのは 、あのグリマルディ家がずっと存続しているということ。』

エンゲルス 「誰だって相場師でありながら社会主義者であることはできますし 、だからこそ相場師の階級を憎んだり軽蔑したりすることもできるのです 。私は以前ある工場の共同出資者だったことがありますが 、それについて弁明する気などさらさらありません 。そのことで私を非難しようという人が現れても 、まわりから不興を買うだけでしょう 。それに 、私は 、明日証券取引所で大儲けし 、それでヨ ーロッパやアメリカの党に大がかりな資金提供ができるとわかれば 、勇んで取引所に行きますよ」



こいつらやっぱり偽予見者だった。マルエンのプチブルとの違いは、遺贈すべき家財を持たないということくらい。

のどかな旅行記はフィクションまたはフィルターを通したマルクス像であるが、オランダやプロイセンの監視下の人物が自由に国境をくぐれる事実自体に彼らの妥協に疑問が生じる。

確かにマルクスの言語には確信的リズムがある。。。他の同時代の著作と比べるとゆらゆらした旋律など無く、いつも同じ強力革命のビートを感じる。しかし内容は果てし無くともプロレタリアートが社会システムを奪うことについての合理化だから、欺瞞に満ちている。マルクスは最後までロスチャイルドを批判しなかった。QED、これで十分である。
尚、プロレタリアートはマルクス以前の造語。

言葉 プロレタリアートはバーダーのプロレテールから生まれた
フランツ・クサファー・フォン・バーダー(Franz Xaver von Baader, 1765年3月23日 - 1841年5月23日)は、ドイツの哲学者、カトリック神学者。


フランツ・フォン・バーダー
経歴 編集

ミュンヘンに生まれる。インゴルシュタット大学(後のミュンヘン大学)で薬学を学んだ後、医者として働いた。その後、自然科学及び宗教哲学の勉強に励み、1826年からミュンヘン大学で講義をするようになった。イマヌエル・カント、ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ、フリードリヒ・シェリングの影響を受けていたが、カント哲学の主観性を指摘しその道徳と自然との分離を批判している。ヤーコプ・ベーメの神智主義に触発され、人間の中で神が自己展開することは、本来は闇の中にいる精神状態から自己を解放することになる、と考えた。カトリックの立場から神学と思弁哲学の統合を説き、後期のシェリングやロマン派に大きな影響を与えた。ミュンヘンで没した。


1792年のシェリングの発明、逆転法にならい、試みに対象と自己を入れ替えて《対象が自己の生成として現れる》としてみれば対象はお化け化し、唯物論になる。補:加減乗除の演算定義によって体が生じるのではなく、いわば、逆写像が体を定義するかのように論理倒錯している。

これがヘーゲル左派であったマルクスの天才的発見=天才的詭弁である。この詭弁もシェリングに学んだものだ。マルクスによれば分析された自分に乗り移る状態が正当化される。出典は 《悪とは諸原理の積極的な転倒もしくは逆転に基づくもの》というシェリングの悪の研究『悪の起源について』(1792年) が根拠だ。


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