護摩とは焚くということ。拓けとは土を割くこと。新しい土に新しい炎を新しい事業の成功を願う。
「苦労に負けてはいけない。これがキーポイントである。」人間尊重五十年 出光佐三
「自分を制御できる力の大きさが、あなたの人生の質を決める。」 ノバク・ジョコビッチ
画像と本文は関係ありません。
人間尊重五十年より
『人間尊重の出光には人が中心となって、資本、法規、組織が手段として使われる。われわれは人が働いて働いて働き抜いて事業をつくりこれを発展させる。これに応じて後から組織も出来、規則もできる。儲けた利益は全部社内に保留されて蓄積資本となる。いかなる場合も人が先であり主である。こうして事業が大きくなり発展して行くことが誰でも希望する理想であると思う。これに反して会社をつくり、資本を募り、組織をつくり、規則をつくり、この組織の中に新会社に雇われたる人々があてはめられるのが、普通の会社の設立の方法である。人による出立と、金による出立との根本の相違である。
出光創業の資本は諸君承知のとおり日田翁の恩恵の金である。その後儲けた蓄積資本と銀行の借入金とであって、その他資本家より借入金はない。その理由は、人が先に先んずるという私の思想は、趣旨としては誰でもが賛成するが、実際には資本家には理解されないからである。
。。。(略)。。。
この意味において出光が個人経営とか株式組織とかいうことは、全然枝葉末節の問題となる。
株式公開は大衆の資金を集め大衆と結ぶ常識的の方法であるが、出光の場合は根本的の問題が起こる。みながせっかく儲けた社内蓄積資本は高率配当となって外部に出て、月給生活の私は配当を取ることとなり、はじめて私有財産ができて資本家と急変する。労使の関係がはっきりと浮かび上がってくる。見ようによっては四十年来の深淵の破壊であり、出光の堕落とも言いうる。世の変遷はこの変化も甘受せねばならぬから、諸君はその弊害を最小限に留めることに努力せねばならぬ。』
しかしこの訓辞から55年後の2006年に出光は株式公開した。
昭和シェル石油と出光「対等合併」で石油二強時代へ
(PRESIDENT Online ) 2015年9月6日(日)配信
石油元売り2位の出光興産と5位の昭和シェル石油は7月末、経営統合の協議入りを発表した。統合の立役者が、昭和シェルの亀岡剛社長兼最高経営責任者(CEO)だ。
昨年12月、出光による昭和シェル買収の動きが表面化するも、その後両社の交渉は停滞。昭和シェルの特約店から「出光の子会社になるのか」との反発が強まったことが響いた。3月には出光と交渉していた昭和シェルの香藤繁常会長兼CEOが退任、「協議中ならトップは代わらない。あの買収話は流れた」(大手証券)との観測も強まる。6月には3位の東燃ゼネラル石油が昭和シェルとの経営統合に名乗りを上げたが、亀岡氏が最終的に選んだのは出光だった。
国内の石油需要は2000年度をピークに、13年度は1億9352万キロリットルまで減少。亀岡氏は販売部門の経験が長く、需要減に苦しむ特約店の状況を見てきた。統合会見でも「特約店には子会社になることは絶対にないと説明してきた。対等な立場で統合を目指す」と強調している。
今後、出光は昭和シェルの親会社、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルから33.3%の株式を取得し、両社は経営統合を目指す。10年に元売り2社の統合で誕生した首位のJXホールディングスは、「JOMO」ブランドをやめて「ENEOS」に統一したり、北海道の製油所を閉鎖したりすることで統合効果を生み出してきた。今回の発表で石油業界は二強時代に入った。亀岡氏が出光と組んで、どれだけ思い切った施策を打ち、首位のJXに肉薄できるかが注目される。
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昭和シェル石油社長 亀岡 剛(かめおか・つよし)
1956年生まれ。関西学院大卒。79年シェル石油(現昭和シェル石油)入社。常務執行役員、執行役員石油事業最高執行責任者(COO)などを経て2015年3月社長兼CEO。
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西木雅博=文
「苦労に負けてはいけない。これがキーポイントである。」人間尊重五十年 出光佐三
「自分を制御できる力の大きさが、あなたの人生の質を決める。」 ノバク・ジョコビッチ
画像と本文は関係ありません。
人間尊重五十年より
『人間尊重の出光には人が中心となって、資本、法規、組織が手段として使われる。われわれは人が働いて働いて働き抜いて事業をつくりこれを発展させる。これに応じて後から組織も出来、規則もできる。儲けた利益は全部社内に保留されて蓄積資本となる。いかなる場合も人が先であり主である。こうして事業が大きくなり発展して行くことが誰でも希望する理想であると思う。これに反して会社をつくり、資本を募り、組織をつくり、規則をつくり、この組織の中に新会社に雇われたる人々があてはめられるのが、普通の会社の設立の方法である。人による出立と、金による出立との根本の相違である。
出光創業の資本は諸君承知のとおり日田翁の恩恵の金である。その後儲けた蓄積資本と銀行の借入金とであって、その他資本家より借入金はない。その理由は、人が先に先んずるという私の思想は、趣旨としては誰でもが賛成するが、実際には資本家には理解されないからである。
。。。(略)。。。
この意味において出光が個人経営とか株式組織とかいうことは、全然枝葉末節の問題となる。
株式公開は大衆の資金を集め大衆と結ぶ常識的の方法であるが、出光の場合は根本的の問題が起こる。みながせっかく儲けた社内蓄積資本は高率配当となって外部に出て、月給生活の私は配当を取ることとなり、はじめて私有財産ができて資本家と急変する。労使の関係がはっきりと浮かび上がってくる。見ようによっては四十年来の深淵の破壊であり、出光の堕落とも言いうる。世の変遷はこの変化も甘受せねばならぬから、諸君はその弊害を最小限に留めることに努力せねばならぬ。』
しかしこの訓辞から55年後の2006年に出光は株式公開した。
昭和シェル石油と出光「対等合併」で石油二強時代へ
(PRESIDENT Online ) 2015年9月6日(日)配信
石油元売り2位の出光興産と5位の昭和シェル石油は7月末、経営統合の協議入りを発表した。統合の立役者が、昭和シェルの亀岡剛社長兼最高経営責任者(CEO)だ。
昨年12月、出光による昭和シェル買収の動きが表面化するも、その後両社の交渉は停滞。昭和シェルの特約店から「出光の子会社になるのか」との反発が強まったことが響いた。3月には出光と交渉していた昭和シェルの香藤繁常会長兼CEOが退任、「協議中ならトップは代わらない。あの買収話は流れた」(大手証券)との観測も強まる。6月には3位の東燃ゼネラル石油が昭和シェルとの経営統合に名乗りを上げたが、亀岡氏が最終的に選んだのは出光だった。
国内の石油需要は2000年度をピークに、13年度は1億9352万キロリットルまで減少。亀岡氏は販売部門の経験が長く、需要減に苦しむ特約店の状況を見てきた。統合会見でも「特約店には子会社になることは絶対にないと説明してきた。対等な立場で統合を目指す」と強調している。
今後、出光は昭和シェルの親会社、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルから33.3%の株式を取得し、両社は経営統合を目指す。10年に元売り2社の統合で誕生した首位のJXホールディングスは、「JOMO」ブランドをやめて「ENEOS」に統一したり、北海道の製油所を閉鎖したりすることで統合効果を生み出してきた。今回の発表で石油業界は二強時代に入った。亀岡氏が出光と組んで、どれだけ思い切った施策を打ち、首位のJXに肉薄できるかが注目される。
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昭和シェル石油社長 亀岡 剛(かめおか・つよし)
1956年生まれ。関西学院大卒。79年シェル石油(現昭和シェル石油)入社。常務執行役員、執行役員石油事業最高執行責任者(COO)などを経て2015年3月社長兼CEO。
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西木雅博=文