マリアはナザレのヨセフと婚約していましたが、イエス・キリストの生誕においては聖霊によって受胎したというキリスト教の信仰があります。しかし、マリア自身もユダ族、すなわちダビデ王の系統に属していたとされています。
精霊による受胎ならば、イエスにはY染色体はないことになるのです。イザヤ書ではインマニエルなんだけど。気にするな。
大胆に考えれば、ダビデのY染色体は不要ということで、救いの主ダビデの子は男系ではなくなる。
ダビデの子(子孫)とは、メシア(キリスト)を指す称号です。それには、以下のような意味があります。
(1)神は旧約聖書において、メシアはダビデの子孫として生まれると約束しておられました(Ⅱサムエル記7:12〜13、イザヤ書9:7、エゼキエル書34:23〜24参照)。
(2)捕囚を体験して以降、イスラエルの民の間には、メシア待望が高まっていきました。その内容は、理想の王であるダビデの子孫がメシアとして現われ、イスラエルを解放してくれるというものでした。
(3)イスラエル人たちの間では、イエスがメシアであるかどうかの評価は真っ二つに割れました。イエスのメシア性を否定する人たちは、イエスがダビデの町ベツレヘム出身でないことをその理由に挙げていました(ヨハネ7:42参照)。
(4)共観福音書には、人々がイエスを「ダビデの子」と呼びかけている例がたくさん出てきます。
(5)イエス自身は、その呼び名を肯定も否定もしておられません。また、自分に対してこの呼称を用いてはおられません。恐らく、この呼称が余りにも政治的印象が強かったために、これを用いることを避けられたのだと思われます。
(6)この呼称は、極めてユダヤ的色彩が強いものです。異邦人伝道が進むに従って、これは徐々に用いられなくなっていきました。
イエスは、預言どおりにダビデの子孫として誕生し、メシアとしての働きをすべて終えて天の父のもとにお帰りになりました。そのことを通しても、神のことばは真実であるとの確信を持つことができます。