「油坂」を登り切ると目指す「別山」が目の前に姿を見せます。
後で気づくんですけど、「別山」は見えている頂きの裏にあって ここからではハッキリと見えないんですよ。(遠っ)
それにしても左側は切り立った崖で、体力以外にも険しい道のりになることが想像できます。
いよいよ稜線が始まりました。
北アルプスの山々が目線の高さに広がって本当に気持ちがイイ・・・ 始まったばかりなのでまだ余裕です。
ただ、上にばかり気を取られていると・・・
道幅が50㎝ほどしかない場所もあるので注意です・・・
誤って足を滑らせると、一気に奈落の底に落ちてしまいますね。(こりゃ 落ちたら上がってこれないわ)
この辺から一気に緊張感が走ります。
最初のピーク(峰)が見えてきました。
石川県側から見てると なだらかなに見えますが、裏側は荒々しい姿をしているんですね。
左手にはずっと深い谷が続いています。
「天池」 加賀禅定道にある池で、この池の辺りは1800年頃に宿泊施設として利用された跡があるそうです。
穏やかな水面に景色が映って、疲れと緊張を癒してくれます。
稜線歩きは、アップダウンが激しく平坦な道が続いたと思ったら、一度下って再び急登が始まります。
そして、またジグザグの登りですわ・・・ とほほ・・
それにしても山は本当に静かだ・・・ 稜線に吹く風と踏みしめる足音、そして乱れた呼吸だけが響き渡ります。
南竜山荘を過ぎてから他の登山客に会ってないので、孤独感から ちょっぴり淋しい気持ちになって心が折れそう?
追い打ちするかのように、今回最大の難所?に到着・・・
ここまで来たら、もうほとんど崖を横切るようなもんです。
立ち止まって、どこがルートなのか確かめるもハッキリした足跡のようなものは見当たりません。
どうやら薄くなってる箇所を進むようです。
こんな時って、リュックの重みでバランスを崩してズルッと・・・ 必ず悪い事が頭を過るものです。
もちろん落ちたら最後、無事に上がってこれないでしょうね。
崖っぷちも無事に通過。 うひょー まだ全然遠いじゃないか・・・
南竜から かなり歩いたけど全く先が見えない・・・ ダラダラした登り坂を行きながら とにかく先を目指します。
「オイオイ、いったい どこがゴールなんだ」と言わんばかりの稜線が延々と続いています。
日中のうちに戻るんだから時間的に余裕があるのかと不安が増してくるねぇ・・・
下っては登ってを繰り返し、ようやく後600Mの標識まで到着。
とは言っても、走れば3分ほど着く距離も山ではその5倍から10倍ほどの時間がかかりますからね。
おおっ! ようやく頂きが見えてきました。
ここまで来たら不安などはいつの間にか消えて高揚が高まってきます。 あともう少しだぞっ・・・
「別当出会」を出発して約4時間、標高2,399M 霊峰白山「別山」に到着です。
未知の世界だったので、体力よりも精神的に疲れたような気がします。
それにしても天気が良くて、眺めも素晴らしい・・・
(実際はこの100倍素晴らしい)
剱岳から立山、槍ヶ岳に穂高岳・乗鞍岳、南に目を向けると御嶽山、そして遥遠くには八ヶ岳の山々も見る事ができ、北・中央・南のアルプスを総なめ できちゃいます。
ここに来て立った者だけが見える絶景です。 来て本当によかった。
振り返ると雄大な白山(御前峰・大汝峰)の姿と、これまで歩いていた稜線がよく見渡せます。
白山とは
別の場所にある山 と言う意味で名前が付いた「別山」。
いくらなんでも少し遠過ぎだろ と思いながらも、ここから見る白山はとても美しい・・・
そして、いよいよ今回の目的である「別山神社」を参拝。
これで「御前峰」にある奥宮、「大汝峰」の大汝神社と合わせて「白山三神社」を無事に今年中に参拝することができました。(感謝)
山頂は(って言うかこの登山道は)他の登山客はおらず貸し切り状態。
御前峰(白山)を眺めながら持参した おにぎりをパクつきます。 言い間でもなく、山頂で食べるおにぎりはサイコーに旨いです。
穏やかな陽気に釣られて、帰りの事を忘れて一時間ばかし山頂で過ごしちゃった・・・(焦)
来た道を今一度ゆっくりと戻って行きます。
午後3時30分、無事に「別当出会」に到着。 山の一日は早いのか、辺りは薄暗く感じました。
今回の「別山」へのルートは、距離も登りもあるので健脚の方でないと日帰りは難しいかもしれませんが、
白山に慣れてきたら、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?