ひとりっこのアルツハイマー介護

要介護5の父(2011他界)と人工透析でアルツハイマーの母のひとりっこ介護と、介護で自分の人生を犠牲にしないコツ

親の家を片づける③

2013-10-09 12:07:32 | 実家の処分

更新ぎりぎりの日まで迷った結果、提出をしませんでした。

解約まで1カ月半

いよいよ本格的に片づけ作業をすすめなくてはいけません

この時点でも、母と一緒に物を片づけることは不可能でした

まず

「わたしが引き取るもの」「母のホームに持ち込んで保管するもの」「いますぐゴミに持っていくもの」 という具合に わけることから始めました

前回も書いたように、できるだけ「思い出」がからまないものから作業しないと全くすすまないので、「いますぐゴミにもていくもの」と「業者に処分をまかせるもの」を仕分けすることから

始めました

そのゴミを1階のごみ捨て場にひたすら運ぶ・・・・けっこう重労働です

いったい何袋の45Lごみ袋を出したことでしょう

うちのように2DKでもこれですから、一軒家はさぞ大変な作業になることでしょう

もちろんすべて業者にお願いすることが出来ますが、やはり 大切なものは自分の目と心で分別することになりますものね

  ただ食器という道具なのか、その食器で食事をした思い出がよみがえるものか

  ただ古い壊れたカメラなのか、家族の思い出をたくさん取り残した父が大切にしたカメラなのか

兄弟がいれば話すことでかえってすっきり捨てられるのかもしれませんが

ひとりで作業すると、それは泣くことですっきりする しかないような気がします

だからこそ、夫や孫たちと作業することはあまりなかったです

つらいけれど、責任をもつことだ  という妙な使命感にとらわれました

自分でできることをすべて終え、業者にのこった家財(おもに家具)を運んでもらって修了

15万ほどかかったと記憶しています

ただし、団地の解約日まで少し日があったので、椅子をひとつと蛍光灯をひとつは残してもらいました(最後の退去日にあわせて粗大ゴミ申し込み)

カーテンもなく、たたみに家具のあとが残る部屋

ふつうなら広く感じるのでしょうが、実際は家具が無くても狭いなあと、よくここに暮らしていたなあと、裕福ではなかった家族の象徴のようでした

片づけていたころの感傷的な気持ちと違って、その時はすっきりした気分でした

幼いころから見慣れた窓の外の風景を、もういちどひとりで目にやきつけてから空っぽの部屋の写真をカメラに収め、鍵を閉めました。

 

 

 

 

 

 

 


親の家を片づける②

2013-10-06 17:46:23 | 実家の処分
一人暮らしの80代の男性のアパートの荷物を処分するには20万円はかかる

と新聞で読んだことがあります。

同居でない限り、いつかは親の家を片づける日はやってきます。

最終的には業者にお願いするとしても、とりあえず早めに大切なものとそうでないものを自分の目で確認することは娘の義務だと思いました。

もちろん、できるだけ費用も抑えられれば、という思いもありました。

しかし、なんといっても戦後の物の少ない時代に生きた母はモノを捨てるということが嫌い。

「いらないものも片づけようよ」などと言ったら怒り出す怒り出す・・・・

粗品でもらった懐中電灯がごろごろとそこらじゅうにあり、買いためた食器もいったい何人家族?というくらい。

父が残した仕事道具の数々(大量の文具や紙や写真)も、母は

「お母さんのものじゃないから勝手に捨てられない」と。

しかたがないので母が気付かないよう、ふだん家にいても開けない場所からこっそり物を処分することにしました。

ちょうど今頃(10月)から週に1度実家に通いました。

  すし飯用のおけや大きな鍋

  製菓用の道具

  昔懐かしいオレンジ色の象印の重たい魔法瓶

  わたしが幼稚園のころに使っていたお弁当箱

  がっちりとしてそれだけで重い荷物になる旅行カバン

幼いころの父と母と3人だけの生活を思い出して 涙で手元がかすみました

作業はなかなか進みません



  


親の家を片づける①

2013-10-03 21:58:09 | 実家の処分
実家をなくす  ということは 帰れる場所をなくす ということです

けれど、誰も住むあてのない空き家を持ち続けることは、ひとりっこの自分には重荷でした



母がグループホームに入ったあとも、母がいつでも自宅に帰れるように、家の中はそのままでした

毎週一度、自宅近くのデイサロンで馴染みの仲間に会うことを続けていたので、その帰りに自宅に寄って大好きな日本茶をいれて一息つくのが習慣となりました

使い慣れた湯飲みや急須が定位置におかれ、長年使い続けた台所にたつ母は、ホームにいる時とはちがって”ベテラン”主婦で、堂々としていました

箪笥のなかのものを畳み直し、カーテンを締め直すと、「さあ、ここは寂しいからあっち(ホーム)で寝るわ」と言うまで、わずか30分程度


あれだけ家がいいと言っていたのに・・・・

今いる場所が落ち着かない というのもアルツハイマー症のひとつだそうです


結局、ホームにいる時は「自宅でひとりで好きにやる方がずっといい」と言い

家に連れていくと、1時間ももたずに「さあ行きましょう」 となるのです


週に1度少し過ごすだけ、もう母が住むことは難しい家

それでも母にとっては大切な場所で、そこを奪うことは残酷です

ずっとそのままにしておくことが母に対する優しさだと思う一方で、現実的には毎月かさんでいく家賃が重荷になっていくのは目に見えていました

  母がこの家のことを忘れてしまう日まで待とうか

  それとも賃貸の家賃が払えなくなるまでは守ろうか

  もしくは更新をしない、という選択をするか


毎日悩み続けました


記入の終わった更新契約書を握り締め、提出時間ぎりぎりまで 心は行ったり来たり を繰り返しました


 続きはまた



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