ひとりっこのアルツハイマー介護

要介護5の父(2011他界)と人工透析でアルツハイマーの母のひとりっこ介護と、介護で自分の人生を犠牲にしないコツ

グループホーム見学

2006-10-26 21:31:48 | Weblog
父はデイケアに週3回通っている。
その日を楽しみにしているくせに、毎回お迎えの時間に間に合わないで母はイライラする。
もちろん病気のせいで思うように脳と体が連動しないのもあるが、実は昔からそういう自分勝手な人だ。
いろんな役職についていたとき、むかえの車が来ているよと言っても「いいんだよ、待たせておけば」と横柄だった。
そういう「勘違い」の結果、肩書きがなくなった瞬間誰も父の元には来なくなった。そんなこと母もわたしも予測してたけど、あの人は本当に気づいてなかったのだ。

そんな母のストレスを見かね、それから排泄の方もダメになってきたので施設をさがし始めた。
そして今日両親とともに「グループホーム」を訪れた。いわゆる認知症のお年寄りが暮らす施設。
プライドが高いゆえ、怒るかと思ったが、けっこう気にいったようだ。
けれど、長年過ごした家を離れるというのは、いやだろうな。。。。
そこがひとつの山。
そしてもうひとつの山は医者に「認知症」の診断書をもらうこと。
(認知症なのか、どうなのかは家族もよくわかりません)

先生は、いつも我が家の事情を加味していろいろしてくれるけど、今回はどうだかわからないね。

こども時代のトラウマは深い・・・・

2006-10-23 22:36:04 | 父のこと

父は勝手な人だった。常識とか、自制とか・・・そういうことが通用しない厄介な人だった。
気に入らないことがあると、いきなり人の見ているテレビを消す。
ちょっとした冗談に大声で激怒する。
とにかく自分を否定する言葉に過剰に反応した。アルコール依存症の一歩手前とも言えた。
心配してなにか言っても聞く耳をもたない。

「弱い犬ほどほえる」
こども心にそう思った。

嫌いだった。

今も決して好きとは言えない。

ただ母が、あれだけ苦労させられた母が愚痴を言いつつも見捨てない訳はこうだった。

「お父さんはかわいそうな人」

売れない作家と世間知らずで病弱な女の長男として生まれた父は、こども時代親せきの家に預けられたそうだ。詳しい話は聞いたことがない、という母。
おそらく親の愛情を受けることもなく、世の中の常識を教えられることもなく一人で大人になった。
親に愛された記憶のない人間は家族の愛し方も知らない。人を信頼したり、心から打ち解けられないのだ。

「大人なんだから、そんな傷から立ち直って幸せな家庭を築こうって思うのが普通じゃない?」
と母も私もずっと思っていた。
でも違う。
こどものころの傷は深いのだ。

そんな父を見て、わたしは息子たちをたくさん抱きしめようと思う。好きだよ、って飽きるほど聞かせてあげようと思う。


独り言

2006-10-22 23:02:35 | Weblog
実家に向かう車の中で、いつも胃の辺りがざわざわする。
そう、ユウウツなのだ。

「実家に帰るとやっぱりホッとするよね」とか、「親にはつい甘えちゃう」
という他の主婦たちの言葉がなんてうらやましいんだろう。

「お父さんが好き」
なんて言える人生を歩んでみたかった。

母の人生に同情している。

けれど今、両親の老いに直面して、わたしはこうやって胃のざわざわ感に襲われている。
「絶対将来面倒なんか見ない!」と思っていた父を、やっぱり見捨てられないのだ。