トドの小部屋

写真付き日記帳です。旅行記、本や美術展の紹介、俳句など好きなことをつれづれに。お気軽にどうぞ。

夜叉桜

2018-04-09 09:16:31 | 
あさのあつこさんの「夜叉桜」を読みました。「弥勒の月」を第1作目とする弥勒シリーズの第2作のこの作品。時代小説です。主な登場人物は北定町廻り同心の木暮信次郎、配下の岡っ引の伊佐治、小間物の大店の主人、遠野屋清之介。信次郎は亡父の右衛門から同心の職を引き継ぎ、父親の代から使えていた町人で岡っ引きの伊佐治と組んで難事件を解決していく。本作では女郎ばかりを狙った連続殺人事件で、義理の親子関係、男女関係のもつれが絡む難事件であったが、信次郎と伊佐治の名コンビが下手人を割り出し捕らえる。物語の中で、遠野屋の主人、清之介は類まれな剣の遣い手で、某藩の重鎮であった亡き父の命で父の政敵を何人も屠った過去を持つ男だったことがわかる。同心の信次郎の抱える心の闇が気がかりなこの小説は暗い話ですが、続きが気になる作品です。
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