青木玉さんの「小石川の家」を読みました。青木玉さんは、明治の文豪、幸田露伴さんの孫で、幸田文さんの一人娘です。これは、露伴さんと文さんと暮らした小石川の家の生活を、幼少時から大人になるまで、様々なエピソードを玉さんの目を通して描いた長い家族の物語です。気難しく、美食家で、我がままで、気性が激しいが、玉さんを深く愛していたと思われる祖父、露伴さん。娘の文さんは、離婚後、玉さんを連れて父の元に戻り、素晴らしい料理の腕と才覚を発揮しながら、父親の身の回りの世話をしつつ娘の玉さんを厳しく育てた。戦前の文人一家らしい上品で優雅な生活。戦争で生活がひっ迫するなか、小石川の家も焼け落ち、疎開先の長野でしたすさまじい苦労なども赤裸々に語られている。物語は大人になって結婚し、2人の子供も大きくなった玉さんが文さんの葬儀を終えた夜で終わる。祖父だけでなく、母からも叱られることの多かった玉さんですが、古き良き時代を思わせる深い愛情で結ばれた家族の物語でした。筆者はこの作品で、94年度芸術選奨文部大臣賞を受賞しています。
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