沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

市町村に対する国の技術的援助と財政的援助のしくみを考える

2016-09-26 08:23:53 | ごみ処理計画

ゲストの皆様へ

このブログは、当分の間、下の資料にある問題を解決するために管理をして行く予定です。 なお、この問題を県が放置していた場合は、県に対する県内の市町村、そして県民の信頼を著しく損なうおそれがあると考えています。 

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平成28年度も10月から下半期に入ります。

そこで、今日は復習を兼ねて「市町村に対する国の技術的援助と財政的援助のしくみ」について考えてみます。

まず、下の画像をご覧下さい。

これは、市町村に対する国の技術的援助(左側)と財政的援助(右側)のしくみを整理した資料です。

このように、国は市町村に対して財政的援助を与えることを前提として技術的援助を与えています。ただし、国は都道府県を通じて市町村に技術的援助を与えているので、都道府県が国の通知の趣旨や内容を市町村に対して正確に周知しなければならないことになります。

(注)市町村が、ごみ処理施設の長寿命化を実施していない場合は、国の技術的援助を拒否していることになるので、ごみ処理施設の更新に当って国の財政的援助を受けることはできないことになります。もちろん、市町村が他の市町村と広域処理を行う場合であっても同じルールが適用されます。

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下の画像は、浦添市に対する国の技術的援助と財政的援助の流れを整理した資料です。

浦添市は、平成23年度に国や県と協議を行って循環型社会形成推進地域計画を策定しています。そして、平成24年度にごみ処理施設の長寿命化を実施しています。したがって、ごみ処理施設の更新に当って国の財政的援助を受けることができます。ただし、浦添市が広域処理を行う場合は、浦添市と同様にごみ処理施設の長寿命化を実施している市町村と行わなければならないことになります。なぜなら、長寿命化を実施していない市町村と広域組合を設立すると、その組合は一部のごみ処理施設の長寿命化を実施していない自治体になるので、広域施設の整備に当って国の財政的援助を受けることができなくなるからです。

(注)広域処理を推進するために市町村が広域組合を設立すると、各市町村が整備した既存施設は広域組合の既存施設になります。このため、広域組合において全ての既存施設の長寿命化が行われていない場合は広域施設を整備する前に長寿命化を実施しなければならないことになります。

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下の画像は、中城村北中城村清掃事務組合に対する国の技術的援助と財政的援助の流れを整理した資料です。

このように、沖縄県は国の技術的援助に関する通知の趣旨や内容を中城村北中城村清掃事務組合に正確に周知することをせずに、県の判断に基づいて沖縄ルールを適用しています。そして、同組合は平成26年度から溶融炉を休止しています。しかし、このことは国の財政的援助を受けて整備した溶融炉の長寿命化を拒否していることになるので、国の技術的援助と財政的援助も拒否していることになります。

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下の画像は、中城村北中城村清掃事務組合に対する沖縄県の事務処理と国の事務処理を整理した資料です。

沖縄県は、中城村北中城村清掃事務組合に対して「意図的」に国の技術的援助と異なる沖縄ルールを適用しているので、その事務処理は「故意」による事務処理ということになります。ただし、国は同組合が焼却炉の長寿命化や更新を行う場合であっても財政的援助を与えない事務処理を行うことになります。なぜなら、同組合は市町村に対する国の技術的援助を拒否して事務処理を行っていることになるからです。

(注)「市町村に対する国の技術的援助と財政的援助のしくみ」を前提にして考えると、中城村北中城村清掃事務組合が溶融炉の休止と焼却灰の民間委託処分を中止しない場合は他の市町村と広域処理を行うことはできないことになります。

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下の画像は、中城村北中城村清掃事務組合に対する沖縄県の事務処理の瑕疵と同組合の事務処理の瑕疵について整理した資料です。

このように、沖縄県は中城村北中城村清掃事務組合に対して「故意」に沖縄ルールを適用していますが、その事務処理は県の職員の「重大な過失」により同組合が地方財政法第8条及び補助金適正化法第22条の規定に違反する事務処理を誘導していることになります。

(注)県の職員が市町村に対して法令に違反するような事務処理を行うことはあり得ないので、中城村北中城村清掃事務組合に対して沖縄ルールを適用している職員は、沖縄ルールが法令の規定に抵触していることを知らないことになります。このような場合、通常は事務処理に「過失」があったことになりますが、市町村に対して国の通知を周知する役割を担っている県の職員が法令違反に気が付いていないとすれば「過失」ではなく「重大な過失」になると考えます。

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下の画像は、沖縄県が中城村北中城村清掃事務組合に適用している沖縄ルールの概要を整理した資料です。

沖縄ルールの最大の特徴は、県が中城村北中城村清掃事務組合以外の市町村には適用していないルールであるということです。その証拠に浦添市は処分制限期間を経過したごみ処理施設の長寿命化を実施しています。そして、南部広域行政組合は輪番制で最終処分場を整備して行くことを決定しています。しかし、県は中城村北中城村清掃事務組合には沖縄ルールを適用して、ごみ処理施設の長寿命化や最終処分場の整備を免除しています。なお、国の財政的援助については、同組合が溶融炉を休止したまま浦添市との広域処理を推進する事務処理を行っていることから、沖縄ルールを適用している県の職員は受けられると判断していると思われます。ただし、その判断にも「重大な過失」があることになります。

(注)沖縄ルールは、ごみ処理施設の整備に関して沖縄県の職員が策定している行政上のルールになるので、おそらく県知事も知らないルールだと思われます。なぜなら、県知事が知っている場合はルールを廃止しているはずだからです。仮に県知事も知っていてルールを廃止していない場合は、県知事が市町村に対する国の技術的援助と財政的援助を拒否していることになるので、単なるごみ処理の問題では収まらない地方自治法に抵触する大きな問題になります。

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下の画像は、沖縄ルールと国の財政的援助の関係を整理した資料です。 

このように、沖縄ルールは国の技術的援助ではなく県の職員が策定した行政上のルールに従って国が沖縄県内の市町村に対して財政的援助を与えるしくみになっています。ただし、県の職員(地方公務員)にそのような権限はありません。もちろん、国の財政的援助を受けて市町村が整備して所有している財産の運用や処分に対する法令の適用を除外する権限もありません。

(注)県知事が沖縄ルールを知っていて廃止していない場合は、上の資料の県の職員(地方公務員)の部分が沖縄県知事に変わることになります。

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下の画像は、沖縄ルールの問題点を整理した資料です。 

中城村北中城村清掃事務組合は、平成26年度から県の職員が策定した沖縄ルールに従ってごみ処理を行っていますが、平成26年度においては他の市町村との広域処理は検討課題から除外していました。そして、平成27年度に浦添市との広域処理を推進することを決定しています。しかし、同組合が沖縄ルールに従ってごみ処理を行っている限り、国の財政的援助を受けることはできないので、他の市町村との広域処理を推進することもできないことになります。

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下の画像は、沖縄ルールと広域処理との関係を整理した資料です。

現在、浦添市と中城村と北中城村は広域処理の推進を前提にして協議を行っていますが、沖縄ルールを適用している中城村北中城村清掃事務組合は国の技術的援助を拒否して溶融炉を休止しています。そして、焼却炉の長寿命化も実施していません。したがって、このままでは県の職員の事務処理がどうであれ、国は同組合に対して財政的援助を与えることができないので、同組合は浦添市との広域処理を推進することはできないことになります。

(注)中城村北中城村清掃事務組合が沖縄ルールに従ってごみ処理を行っている場合、広域処理が白紙撤回になるのは時間の問題ですが、平成24年度にごみ処理施設の長寿命化を実施している浦添市は国の財政的援助を受けて単独更新を行うことができます。しかし、ごみ処理施設の長寿命化を実施していない中城村北中城村清掃事務組合は40億円以上の自主財源を住民から確保して単独更新を行うことになります。

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下の画像は、沖縄県が国の技術的援助に関する通知の趣旨と内容を中城村北中城村清掃事務組合に対して正確に周知した場合を想定して作成した資料です。

このように、沖縄県は沖縄ルールの適用を解除して国の通知の趣旨と内容を中城村北中城村清掃事務組合に対して周知することになりますが、その場合は、一般的に考えると、休止している溶融炉を再稼動して浦添市と同じように長寿命化を行うことになると思われます。

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下の画像は、中城村北中城村清掃事務組合が休止している溶融炉を再稼動して長寿命化を行う場合の問題点を整理した資料です。

中城村北中城村清掃事務組合が浦添市と同じように「ストーカ炉+燃料式溶融炉」を整備していれば一件落着ということになります。しかし、残念ながら同組合は「流動床炉+燃料式溶融炉」を整備しているために多くの問題を抱えています。このため、浦添市から見た場合は、同組合が溶融炉を再稼動して長寿命化を行う施策は、浦添市にとって極めてリスクの高い施策になります。なぜなら、同組合が整備している溶融炉は国内では稼動している事例や長寿命化が行われている事例のない特殊な溶融炉だからです。

(注)このブログの管理者は、内地から遠距離にある沖縄県において、市町村が導入実績の少ない「流動床炉+燃料式溶融炉」を整備したことは失敗であったと考えています。そして、溶融炉を再稼動して長寿命化を行う施策は失敗する確率の高いギャッブルになると考えています。

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下の画像は、中城村北中城村清掃事務組合が溶融炉を再稼動して長寿命化を行うことを決定した場合を想定して作成した資料です。 

浦添市が中城村や北中城村と広域処理を推進する場合、中城村北中城村清掃事務組合の溶融炉は広域組合の既存施設になります。しかし、浦添市が広域組合を設立する場合は、事前に議会の承認を受けなければなりません。その場合は、もちろん中城村北中城村清掃事務組合の溶融炉の特殊性について説明しなければなりません。しかし、同組合が溶融炉を再稼動して長寿命化を行う施策は、広域組合を設立した場合に浦添市の財政に累を及ぼすような施策になる(溶融炉の使用が困難になると広域施設の整備に当って国の財政的援助を受けることができなくなる)ので、議会の承認を受けることはできないと考えています。

(注)浦添市の職員が議会に対して詳細な説明を省いた場合は承認を受けることができるかも知れません。しかし、浦添市にとってはそれほどメリットの多くない広域処理になるので、中城村北中城村清掃事務組合が溶融炉の再稼動と長寿命化を決定した場合は、ほぼ間違いなく広域処理を白紙撤回することになると考えています。

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下の画像(2つ)は、中城村北中城村清掃事務組合が浦添市との広域処理を推進するために、代替措置を講じて溶融炉を廃止することを想定して作成した資料です。

中城村北中城村清掃事務組合の焼却炉(流動床炉)は、他の市町村でも稼動している事例があり、長寿命化が行われている事例もあるので、浦添市にとっても問題のない焼却炉であると考えています。したがって、溶融炉を適正に廃止することができれば、浦添市も安心して広域処理を推進することができると考えています。 

中城村北中城村清掃事務組合が代替措置を講じて溶融炉を廃止すれば、同組合は国の財政的援助を受けて焼却炉の長寿命化を実施することができます。そして、同組合が既存施設の長寿命化を実施すれば、浦添市と設立することになる広域組合も国の財政的援助を受けて広域施設を整備することができることになります。

(注)中城村北中城村清掃事務組合が代替措置を講じて溶融炉を廃止した場合であっても、焼却炉の長寿命化を実施しない場合は国の技術的援助と財政的援助を拒否している(他の市町村の財政に累を及ぼすような施策を行っている)ことになるので、広域処理を推進することはできないことになります。 

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下の画像は、中城村北中城村清掃事務組合の既存施設(焼却炉と溶融炉)に対する施策のスケジュールを整理した資料です。

浦添市は平成31年度に広域組合を設立する前提で中城村や北中城村と協議を行っています。したがって、中城村北中城村清掃事務組合は平成30年度までには焼却炉の長寿命化を実施しなければならないことになります。また、そのためには平成29年度までに代替措置を講じて溶融炉を廃止しなければならないことになります。

(注)中城村北中城村清掃事務組合が平成29年度に代替措置を講じて溶融炉を廃止するためには、平成28年度中に代替措置に関する具体的な計画を策定しなければならないことになります。

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下の画像は、代替措置に関する必須条件を整理した資料です。

代替措置とは、溶融炉を廃止することによって生じる焼却灰の処理を適正に行うことができる施策になります。したがって、上の資料にある1から8までの全ての条件をクリアする必要があります。ただし、3から5までの条件をクリアすることができれば、その他の条件をクリアすることは難しいことではありません。

(注)代替措置において最も重要な条件は、安定性が担保されていることになります。なぜなら、ごみ処理施設の更新(広域施設の整備を含む)を行う前に代替措置を講じることができなくなった場合は、焼却炉の長寿命化に利用した補助金を返還しなければならないからです。そして、ごみ処理施設の更新(広域施設の整備を含む)に当って国の財政的援助を受けることができなくなるからです。したがって、外部委託により代替措置を講じる場合は、あらゆるリスクを想定して慎重に検討する必要があります。なお、中城村北中城村清掃事務組合の焼却炉(流動床炉)から排出される焼却灰(飛灰)は塩分濃度が高いので、外部委託による代替措置(セメント原料化等)を講じても安定性を担保することはできないと考えています。

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最後に、下の画像(3つ)をもう一度ご覧下さい。

平成28年度はインフラ長寿命化基本計画に基づく行動計画(公共施設等総合管理計画)の策定期限になっています。そして、現在、多くの市町村が計画の策定を行っています。しかし、県の職員が沖縄ルールを廃止しない場合は、「全体の奉仕者」として他の市町村に対して沖縄ルールを周知しなければなりません。なぜなら、他の市町村は浦添市と同じようにごみ処理施設の長寿命化を実施する前提で計画を策定しているはずだからです。

(注)県の職員が県内の全ての市町村(一部事務組合を含む)に対して早急に沖縄ルールを周知しない場合は、中城村北中城村清掃事務組合に対して沖縄ルールを適用している事務処理が不適正な事務処理であることを自ら認めることになります。 

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広域処理の成功を祈ります。