「廃藩置県」(1879年)から間もない、沖縄県の第2代県令・上杉茂憲の在任中(1881~83年)に撮影されたとみられる首里城などの写真が山形県米沢市で、上杉家所蔵資料の中からこのほど確認された。
首里城の写真は北殿裏の城壁の上から久慶門、歓会門を見下ろす角度で撮影されている。県内の専門家から「貴重な写真」と驚きの声が上がっている。
米沢市上杉博物館で6日から始まる企画展「上杉家の古写真-伯爵の暮らしと米沢」で展示される。
沖縄関係は8枚あり、守礼門、渡地(わたんじ)と通堂(とんどう)の港の風景、崇元寺橋、組踊の男性、辻の遊女が記録されている。沖縄で撮影された写真として最古の可能性もある。いずれも名刺判(9センチ×5・5センチ)で鶏卵紙。
首里城復元に関わった高良倉吉琉球大学名誉教授は「久慶門の櫓(やぐら)全体のプロポーションが分かる初めての写真。(首里城に駐屯した)熊本鎮台による改変がなく、首里城が現役だった雰囲気が分かり、貴重だ」と話した。
同展は3月21日まで。問い合わせは(電話)0238(26)8001。