ジャンボツアーズ(那覇市、谷村勝己社長)は23日、日本に寄港する最大級の豪華客船「MSCベリッシマ」の沖縄発着クルーズを販売すると発表した。
欧州を中心にクルーズ船事業を展開するMSCクルーズ社(スイス)が来年1~3月の間に那覇港に配船し、宮古、石垣、台湾の基隆などへ寄港。14回のクルーズのうち、ジャンボツアーズが1万500室(2万1千人分)を買い取り、県民へ格安で販売するほか、県外国外からも飛行機で沖縄へ訪れてクルーズを楽しむ「フライ&クルーズ」商品を販売する。(沖縄タイムス 政経部・川野百合子)
「MSCベリッシマ」は全長約315メートル、全幅43メートル、全高65メートル、総トン数が17万1598トン。船内にはレストランが12カ所、プールは四つあり、大劇場やスポーツ、ショッピングなども楽しめる。
客室は10種類以上で2217室、最大5655人が宿泊できる。
ジャンボツアーズは14回のクルーズのうち、県内向けに7千人分を販売。日本各地から1万人、韓国2500人、香港千人の誘客・販売を目指す。
県外や海外向けには、飛行機での往復の移動や観光などもセットにした商品を企画する。
県民向けは食事付きで5日間、1人当たり3万7800円~と格安で販売。大人2人に対して18歳以下2人まで、基本的な宿泊料などが無料となる。6月14日に那覇市で開催する「クルーズフェスティバル」で販売を開始する。
谷村社長は「地元の旅行会社として子どもたちにも夢を与えたい」と話し、県民に還元しながら観光業や海運業に関心を持つきっかけにつなげたい考えだ。
また、県の掲げる「質の高いクルーズ観光」の実現のため、フライ&クルーズ商品で県外・海外客が県内で消費する仕組みをつくるほか、那覇港で1泊停泊することで沖縄の観光促進につなげる。船内では県産品の免税店舗や紹介ブースを設け、沖縄をPRする。
MSCクルーズジャパンのモレリ・オリビエロ社長は、沖縄の文化や歴史などの魅力に触れ「若い層や単身旅行者など新しいタイプの客層も興味を示してくれるだろう」と期待した。