世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトルマッチは20日夜、東京の有明コロシアムで行い、同級1位の比嘉大吾(21)=白井・具志堅スポーツジム、宮古工高出、浦添市出身=が、前日の計量で制限体重を超過して王座を剥奪された「前王者」のフアン・エルナンデス(30)=メキシコ=を6回2分58秒で倒し、新王座に就いた。
県出身の正規王者としては平仲信明氏(53)以来25年ぶり、暫定王者だった江藤光貴(29)=現役=を合わせると9人目の世界チャンピオン誕生となった。
比嘉は戦績を13戦13勝(13KO)と伸ばし、日本人初のパーフェクトレコード(全戦KO勝利)による世界王者となった。所属ジム会長の具志堅用高氏(61)が1976年に世界ボクシング協会(WBA)ジュニアフライ級に勝利し、県出身初の世界王座に就いた21歳と同じ年齢でのタイトル獲得となった。フェルナンデスの戦績は37戦34勝(25KO)3敗。
具志堅用高会長 ジム初の世界王者・比嘉誕生に涙「信用していた」
◇プロボクシングWBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦 前王者ファン・エルナンデス―同級1位・比嘉大吾(2017年5月20日 有明コロシアム)
プロボクシングのトリプル世界戦は20日、有明コロシアムで行われ、WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦は同級1位の比嘉大吾(21=白井・具志堅)が、体重超過で王座剥奪となった前王者ファン・エルナンデス(30=メキシコ)に6回2分58秒にTKO勝ちし、新王者に。タレントとしても活躍する元世界王者の具志堅用高会長にとって、1994年のジム創設から24年目で初の世界王者誕生となった。
2回に比嘉は相手のあごに左フックを決めて先制のダウンを奪うと、5回にも左フックでダウンを追加。そして6回に3度のダウンを奪い、勝負を決めた。13戦オールKOでの世界戴冠は日本初。「試合を組んでくれた会長ら関係者に感謝したい。この試合に懸ける気持ちが強かった」と声を弾ませた。
エルナンデスが前日計量をクリアできなかったため、比嘉が勝てば新王者、敗れれば王座は空位となる一戦だった。「自分も減量がきつくて、1週間前にパニック障害を起こしそうだった」と比嘉。ボクサーとしての誇りを失わなかった男にリングの神様がほほ笑んだ。
所属ジムから初の世界王者誕生となった具志堅会長は「ありがとう。比嘉大吾を褒めてください」とまずは歓喜の第一声。「心配してたけど、世界チャンピオンになると信用していた」と目を潤ませた。
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