沖縄の美しい自然に感動して電気スクーターに「オキナワ」と名付けたオキナワオートテク社のジテンダー・シャルマ社長(オキナワオートテク社提供)
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「OKINAWA」の名を冠した電動スクーターがインドで人気を博している。2015年設立のオキナワオートテク社が販売する「オキナワスクーター」は、新興の電動スクーター市場でインド国内トップシェアを誇る。ジテンダー・シャルマ社長が15年に沖縄を訪れた際に、美しい自然やゆったりとした生活リズムに感動したのがブランド名の由来になった。排ガスの出ない電気二輪車を普及させ、環境汚染が深刻なインドで「オキナワのような美しい環境を実現したい」という思いが込められている。
同社はインドの首都ニューデリーから30キロほどのハリヤナ州グルガオンに本社があり、「オキナワスクーター」のブランドで9種類の電動スクーターを販売している。
主力の「iPraisePlus」は日本円で約16万4000円。最高時速は70キロ、1回の充電で160キロ走れる。
未舗装の道路が多く、許容重量以上の荷物や人を乗せることも多いインドの環境に適応したタフな作りが特長で、15度の傾斜でも走行可能だ。
「オキナワスクーター」は18年度に3万5千台を販売し、インドの製造業全体が不況の波を受けている19年も3万台の販売を予定する。
インドのシリコンバレーと呼ばれるバンガロールや日本企業の進出も多いチェンナイなど、インド南部での販売が多い。
オキナワオートテク社は琉球新報の取材に、シャルマ社長のコメントとして「インド人は日本人が大好きで、多くの親日家がいる。沖縄から社名をもらっているので、名に恥じぬよう両国の関係発展に貢献していきたい」とのメッセージを寄せた。
インドは二輪車の販売台数が年間2千万台を超えるバイク大国だ。一方でインド政府は深刻な大気汚染の解消に向けて交通の電気化を図ろうとしている。15年に始まったFAMEと呼ばれる政府の施策により、電気二輪車の購入者に補助金が出たことも寄与し、電気スクーター需要は急速に伸びている。
同社は現在、2020年の稼働を目指してインド北西部のラージャスターン州に新工場を建設している。現在の工場と比べ敷地面積は約20倍、生産能力は1日当たり3千台となる。21年には日本への本格的な輸出販売、そして将来的には沖縄に販売拠点を設けることを目標にしている。
同社の南澤泰裕取締役営業部長は「インドの企業は非常に行動が早く、国民性としても新しい技術に抵抗を持たず試してくれる。15年後には半数を電気スクーターが占めていてもおかしくはない」と市場可能性を語った。沖田有吾
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