![]() | 少女怪談藤野 千夜文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
画像の色調が薄いのでよくわからないと思いますが。
表紙(?)というか、巨大な帯には『とてつもなく愛らしく、けっこう残酷。女の子四人のこわくない「怪談」。』とあります。
ま、全然怪談じゃないよね。
都市伝説でもない。
じゃあ、どんな話なんだ? と聞かれるのが一番怖い。
松浦の分類でいけば、これは間違いなく801(やおい)小説だよ。
まず、事件らしい事件がない。よって、主人公の成長も、挫折もない。文体は主人公の一人語りなんだけど、読者をテーマに誘導するような「仕掛け」がない。
でも、これが芥川賞クオリティーだ。
といわれてしまえば、なんにも反論できません。
ただ、著者の藤野千夜さんは失礼ですが、1962年生まれなんですね。
で、この内容。
松浦は、てっきり昭和62年生まれなんだろうと勘違いしていました。それくらい、感覚が若い。
時代や賞に流されない。こだわらない。見逃さない。
そういった創作姿勢は見習わなきゃなあ、と思っています。