松庵

シナリオライター
&絵コンテマンな
松浦の軌跡。

人間万事塞翁が馬

2017-01-18 10:00:01 | なんでもない日々
ふと、子どもの頃の夢をみました。
小学校の理科で、ジャガイモを育てることになった時の夢です。
ずっと忘れていたのに、なぜ夢に出てきたのかはわかりません。

ほぼ全員が校庭の一角、畑のようになっているところに植えたのですが、日向と日陰の成長を比べるという理由で、私ともう二人ほどの生徒は強制的に杉の木立の中に植えろという指示が担任から出ました。
日陰も日陰。地面はダート。ここではまともには育たないことは、別に調べるまでもなくわかりきっています。
たぶん反抗もしたでしょう。しかし結局、そこに植えることになったのでした。
さらに収穫したジャガイモは持ち帰って食べていいことになっていましたから、落胆は大きかったと記憶しています。
ただ、私もあきらめは悪い方ですから、可能な限り周辺の地面を掘って柔らかくし、こっそりポケットに入れてきた肥料を埋めておきました。

そして季節が過ぎて何が起きたかというと、台風が来たのです。
それはもう見事なまでに畑組の作物を壊滅させました。
彼らの収穫はゼロです。それに対して、杉の木立に守られていた私たち日陰組の作物は無事でした。まあ、貧弱ではありましたが。

それでどうなったかというと、担任は日陰組の作物を全員で分けるというとんでもない指示を出してきたのでした。
この時の、子ども相手だから押し切れるだろうという気配を漂わせた、担任の薄ら笑いははっきりと覚えています。
これで、徴収されてしまったジャガイモに毒でもあって全員が当たればまさに人間万事塞翁が馬ですね。まあそこまでうまくは行きませんでしたが。

しかしこうして今でも夢に見るということは、畑組の作物が壊滅した時に感じた、一筋縄ではいかないこの世の理と、担任の態度に感じた、人間に対する深い絶望は今でもちゃんと胸に生きてるのでしょうね。
コメント
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