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またまた紀伊半島を南下して潮岬までやってきた.もうこの時期になると凍結が怖いので,走り慣れた定番のルートになってしまう.それでも,今回は無事に潮岬で日没が見ることができた.
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潮岬の県道から灯台の下に降りていくことができる舗装路がある.道は急坂でカーブのところにスイッチバックのようなスペースが設けられている.わたしのオートバイでならすいすいと下って行くことができる.辺りには誰もおらず,特等席をゲットできた.
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空は徐々に茜色に染まり,丸くて黄色い太陽がみるみる海の方に向かって落ちていく.ところが,水平線の上には雲があって,残念ながらきれいな日没は拝めなかった.雲の合間から見えたのは,だるま夕日だった.雲の存在が悔やまれたが,それでも久しぶりに見る海での夕景はとても美しかった.
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太陽が沈むとあたりは夕闇に包まれていく.今日も無事に一日が終わった瞬間だった.そして,暖かな紀伊半島と言えど,すこし冷え込みが強くなってくる.さあ,暗くなる前に宿へ向かうことにしよう.
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ふと陸地の方を見上げると,潮岬灯台の灯りが点灯し回っていた.光度は97万カンデラで,到達距離は35キロメートルだそうだ.灯台と言えば,青空の下に映える白亜が美しいが,夕闇の点灯した姿も哀愁があってなかなかいいと思う.
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そして,気が付けば,辺りはもうすっかり真っ暗だ.灯台のはるか上空には,半月が煌々と光っていた.
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