先週末、YOME様は週末出張、ということで留守のボーイズは山小屋に行ってました。
目指すは智恵子抄でも歌われた「ほんとの空」がある安達太良山。そう、東北を旅すると必ず車窓に出てくる、あの美しい連山です。
あまりにも有名な「あどけない話」にでてくる一節ですが、何度読んでも心をつかみます。引用すると、
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切っても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山の山の上に
毎日出ている青い空が
智恵子のほんとうの空だといふ。
あどけない空の話である。
これが、いつもチビ太のみている横浜の空
これが安達太良山の上に毎日出ているほんとうの空
東北自動車道を北上すること4時間以上、前方にこの空と山が見えたときは嘆息しましたよ・・・
いつか成長したチビ太が学校の授業でこの一節にふれたときに、六歳の春のこの日を思い出してくれるといいな。(そのころは反抗期だろうがw)
ダイジェスト
■ いつも予約でいっぱいのくろがね小屋が珍しくとれました。小学生はなんと無料!もう、通っちゃう。(自治体の子育て支援カードが必要です。)
■ 岳(だけ)温泉の源泉地でもあり、年間二万人が訪れる大人気のくろがね小屋。施設の老朽化もあり、今の山小屋は今年いっぱいで取り壊して新築するそう。味わいのある現在の小屋を楽しむのは今年がラストチャンス
■ とにかく遠い。東北道経由で自宅から300km以上。
■ 登山口からくろがね小屋までは2時間+
■ 温泉サイコー!就寝までに3回入浴。
■ 山小屋には13時過ぎにチェックイン。その後は山小屋チビ太放牧教育メソッド。4歳のかわいい女の子と友達に。
■ 夜は小屋名物の半日煮込んだカレー。朝も自炊でカレーと牛丼。昼ごはんも横浜のばあば家でカレー。カカカレレレーララライイイススス。
■ 朝5時半に出発。初心者向けの雪山とはいえ、残雪期の4月に大迫力のカール地形の登山が出来、テンションマックス。
■ アイゼンなしで登れますが、一部雪のトラバースあり(雪と泥濘が交互に現れる)。チビ太は着脱容易な4本爪アイゼンを多用。
■ 峰の辻の前後からはそれは感動の雪の稜線歩き!春を待つ白銀のトラバース。
■ 乳首山(山頂)は偏西風の通り道。爆風が吹き荒れ、体重の軽いチビ太は飛ばされそうでヒヤヒヤ。
■ 下山は薬師岳経由。緩やかな斜面で尻セード、腐り雪の林道はトレラン気味で高速下山。
■ 踏み抜き多数。雪の下の大きな穴のしたには雪解け水の小川が流れていました。
■ 春を待ちきれないエナガ、コゲラと口笛二重奏
■ ニホンウサギ、リスの食痕多数。稜線を横切る日本カモシカの足跡も。
■ ロープウェイは八時半からの営業。そして八時二十五分にロープウェイ乗り場に到着。
■ 帰宅は予定を大幅に短縮し一時四五分。
■ 帰った日、チビ太は驚愕の7時就寝。そして翌朝4時に起きて遊びだす。ありがたくない・・・
それでは、いつものように写真スタート!
定番のガイドさんとの待ち合わせプレーから。いちいち芸が細かい。登山口の雪は完全に消えていました。
くろがね小屋まで二時間。テレビでは3時間と言っていましたが、2時間でした。暑いのでこの後半袖に脱皮。
雪解け水大放出中
最初は歩きやすそうな馬車道でウォームアップ
どうやら馬車道はジグザグするので遠回りみたい。体も暖まったので直登の旧道へ。
で、春の泥濘
新品の22cmシューズがあっというまに泥んこに
ここからは腐れ雪の緩斜面。暑いです。
新芽が食べられた後を発見。ニホンノウサギでしょうかリスでしょうか
食痕を探しながらゆっくり登ってゆく
勢至平に出ると景色は開け、山頂の乳首もチラチラ見えます
1か月後ここは山ツツジが満開だろうな。
時々危ういトラバースがあるので、注意して進みます。だんだん小屋が近くなってきたのか、時々風の中に微かな硫黄臭がします。
くろがね小屋が見えた!なんて雄大な景色。
風呂好き男児、チェックインとほぼ同時にすっぽんぽんになってちゃっぷりんこ。もう、最高。
鉄山直下のバットレスを眺めながら、極楽極楽💧😃♨
今年で改築予定のくろがね小屋。寝台車みたいで全部探検したくなるそうです。
探検中
良い雰囲気。
夕食は半日煮込んだ🍛。少し辛い大人の味も大分食べられるようになりました。
ペコでしたので!
この谷は、風の通り道。深夜地震かと思ったら風が小屋を揺らす音でした。
八時の就寝まで三回♨に浸かったので、あっとあうまに八時に寝付きました。
朝三時にヘッドライトを付けて山頂に日の出を見に行く二人を見送り、朝の小屋を独り占め。
誰よりも早く起きてきて、朝五時前に牛丼と🍛のブレックファスト
今日の山男と山小屋にガール👧
四歳と六歳
朝日に中登り始めます
眼下にくろがね小屋。また来よう。
ただだし。
鉄山の岸壁を眺めながら。山登りは最高だー!
ここらへんで二人のテンションはマックスに
ほんとの空の下、気持ちいい稜線歩きはまだまだ続く
あそこを越えると峰の辻に至る長い雪原に出ます
乳首山をいじるいやらしい顔つきのおっぱい星人
ぱっと見怖いのですが、たぶん滑落しても雪質重いから大丈夫。たぶん数メートルで止まる。
誰か登山ルートを外れて歩いて行ったけしからんハイカーがいるようです。ぷんぷん。
ニホンカモシカさんでした。
2018年は檜洞丸、都心のドカ雪、蔵王、八ヶ岳しらびそ小屋、そして安達太良山と雪山を楽しみました。
これで雪山シーズンはおしまいかな?
たぶんこの尾根が馬の背尾根。向こうに続くのが鉄山で、おそらく向こう側に1900年前噴火した池の平の火口があるはず。
腐れ雪の急斜面で、脱着性の良い4本爪アイゼンが大活躍。石も入り込みましたけど。
最後の直登。ここを超えると乳首山直下です。
安達太良山の真上にはほんとの空が広がっていました。
ほんとの日焼けこわい・・・
頂上は吹きさらしで月面のような荒涼とした世界
最後はなかなかチャレンジングな岩登り
頂上は偏西風がもろに打ち付ける爆風地帯、すごい風。
一眼レフを岩の上においてタイマーで撮ったのですが、風で吹き飛ばされやしないかとひきつった顔していますね。
チビゴジラ
山の看板が帆のようになって突風が吹くと持っていかれそう
山頂からは360度の絶景。吾妻山、磐梯山も良く見えました。
このハイカーさんの背後にあるのは郡山か二本松の街並み
緩斜面の一部ではヒップそりで高速下山に挑戦
出発時刻/高度: 11:11 / 948m
到着時刻/高度: 08:25 / 1341m
合計距離: 9.75km
最高点の標高: 1662m
最低点の標高: 941m
累積標高(上り): 839m
累積標高(下り): 428m