乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

1月11日(土) 自然観察交流会

2025年01月11日 | 乙女高原観察交流会
※井上さんがレポートを書いてくださいました (写真も)。

 厳しい寒さが続いていて、乙女高原は日中でも零下という予報。防寒対策をしっかりして出かけました。牧丘の道の駅に集まったのは3人。植原さんの車に乗せてもらって出発。林道を登っていくにつれ、道路わきには雪、日陰は凍っているようなところもありました。

 乙女湖のところで、まず車を止めました。ダム湖は3分の2くらい結氷して白くなっています。見ていると不思議な音が聞こえてきます。鳴くような、ものが鈍くぶつかるような音です。大きな音もしました。氷の下で何かぶつかっているのでしょうか。
 金峰山は雪で真白。青空に映えています。柳平からの先の林道は雪がうっすらと積もって凍っていました。運転には気を遣ったことと思います。

 乙女高原に到着。気温は-3℃。草原はまだら状に雪が積もっています。草原に入ってみると、雪が解けて氷になったところと雪が残っているところ、刈った草の根元が見えているところとで、まだら模様になっていました。氷は薄くて、下が空洞になっており、端は丸いような複雑な形に解けています。

氷の上は冷え込んで、下(地面のほう)が温かくて、下から溶けて上だけ残って氷になったのでしょうか。どのようにできたのか不思議な光景でした。スパイク付きの長靴を履いて、その薄氷や雪の上をバリバリと音を立てて歩きました。


 冬の楽しみの一つは冬芽観察です。まずレンゲツツジ。枝の先端には赤い花芽が、芽鱗(がりん)と呼ばれるうろこ状のものに覆われて、ろうそくの炎のような形についています。その花芽の下には葉痕(ようこん)と呼ばれる葉の落ちた三角形の痕があって、その中には維管束痕(いかんそくこん)がニコちゃんマークみたいに見えてかわいいです。葉痕のすぐ上には葉芽が小さくついています。枝の所々にこの葉痕と葉芽がついていて、枝には細かい毛もついています。花の咲く時期にはあまり枝の様子など観察しませんでしたが、枝だけになったレンゲツツジはとてもおもしろいし、かわいいです。
 森のコースではオオカメノキを観察しました。この冬芽は対生(向かい合って出ている)で万歳しているように見えるのがかわいいです。裸芽(らが=芽鱗に包まれていない芽)で、寒さを防ぐために細かい毛に覆われています。ベージュ色でビロードのような感じです。葉芽には葉脈が見えていて、花芽は丸く擬宝珠(ぎぼし)のような形で葉芽の真ん中にあります。印象的なオオカメノキの冬芽です。
 鋭いトゲがたくさんついたハリブキもありました。先端にはえんじ色の固い芽がついていました。ニワトコの冬芽は細い枝の両側に対生しています。先端に芽はついてないので、上には伸びないで横に広がっていく樹木だと植原さんが言っていました。冬芽で樹木のでき方もわかるというのは深いですね。他にはウリハダカエデやミズナラの冬芽を観察しました。

 展望台へのゲートは地面が凍って開けにくくなっています。二人で少し扉を持ち上げながらゆっくり開けて、展望台に出ました。富士山がくっきり、きれいに見えました。下の盆地は少しかすんだよう。富士山は白く光ったところと黒く影のようになったところがあります。黒いところは尾根のようで、雪が少ないので、黒っぽく見えたのでしょうか。
 ヨモギ頭からは樹冠越しに南アルプスがよく見えました。白根三山や甲斐駒ヶ岳、鋸岳などがかっこよく、仙丈岳は真白。中央アルプスや八ヶ岳も真白でした。

 ブナ爺さんの所へ降りていく途中のダケカンバの太い幹には、縦に1mくらい裂け目ができていました。寒さで裂けたのでしょう。葉を落としたブナ爺さんの枝は直角に曲がったり、カーブしていたり、くねくねしているのがよくわかります。どんな人生・・・でなく樹生を送ってきたのでしょうか。ブナ爺さんから少し下ったところにも太くて、幹の片側が大きく割れ、根元はごつごつして苔むしたブナがあります。植原さんいわく、ブナ婆さんだそうです。


 水が森林道に出ました。木をつつく音がするので、探すとコゲラがいました。キバシリらしい鳥も。カラ類の声もしました。

 林道はうっすら積もった雪が凍っています。そこに動物の足跡がたくさん残っていました。冬のもう一つの楽しみはアニマルトラッキングです。動物にとっても、林道は歩きやすい場所なのでしょうね。2つが重なったもの、真っすぐ一直線に進んでいるもの、道路を横切るもの、間隔の狭い細かい足跡が一直線に続いていると思ったら、途中で二つに分かれてしまっていたり。テン?キツネ?タヌキ?シカ?何が通ったのかな。どんなふうに歩いたのかな、走ったのかな。想像するのも楽しいです。
 雪の上に赤い実のほぐれたようなものがありました。これはテンの糞を小鳥がほぐして食べたのではということ。赤いのはツルウメモドキの実。肉食のテンがツルウメモドキを食べるのですね。しばらく行くと、雪の上に糞がたくさんあります。赤い色のもの、黒っぽい色のもの(ヤマブドウを食べたもの)、茶色いようなものなど。ここはトイレかと思ったら、植原さんが「おおっ」と声をあげました。ガードレールの外、道路下に鹿の死骸発見。もう背骨と足の骨と毛皮ばかりになっていましたが、動物たちにとってはごちそうがたくさん食べられた場所だったのでしょう。糞がたくさんあるわけです。動物たちの足跡を見ながら、凍った雪道をザクザクと音を立てて歩きました。

 ロッジに戻って、玄関前で昼食にしました。風もなく、穏やかです。太陽のおかげで思いがけず、暖かい。時々、太陽が雲に隠れることがありましたが、そんな時は雲の端がピンクや緑になる彩雲が見られました。

 午後はツツジのコースを歩きました。太陽が南にまわって、草原の雪面は陽に反射してまぶしいです。青空をトビやカラスが飛んでいきました。ツツジのコースの山際は陽当たりが悪いので、雪がたくさん残っています。10cmくらい積もっていたでしょうか。ここでは遊歩道の杭の上に残った雪の造形がおもしろかったです。上部表面は氷で内部は空洞のもの、上部が傘状で下が細くなってきのこ雲のような形になったもの、三段のきのこ雲のようになったものもありました。


フクロウがいたというモミの木を植原さんに教えてもらいました。フクロウが止まっていたという枝には、白い尿痕がありました。

 谷内坊主を見に行きました。

雪の中にボサボサ頭の谷内坊主がいっぱい。なかなか壮観です。ここでは水が凍らず流れていました。水に手を触れてみると冷たいけれど、びっくりするような冷たさではありませんでした。水は凍っていないので、0℃より高いし、気温は0℃より低いので、あまり冷たく感じなかったのかな。
 谷内坊主の近くから、斜面を見上げると不思議な光景が。斜面が長く大きくえぐれています。まるで、イノシシが土を掘りおこしたよう。土は30cm以上も盛り上がっていて、穴があいています。下側の土は下へ崩れています。穴の奥は霜柱が段々に見えているところもあるので、霜柱の仕業ですがどんなふうにできたのか、不思議でした。

 ロッジに戻る途中、草原には土の小山がいっぱい。モグラ塚です。たくさんのモグラがいるのかと思いきや、1匹のモグラが50m四方くらいのテリトリーを持っているらしいです。冬は寒いから深いところにトンネルを掘るので、土の量が増えて、モグラ塚が目につきやすくなるとのこと。地下にはモグラの作ったトンネルが伸びているはずですね。

 帰り道では所々に小鳥がいました。ホオジロ、カシラダカなどです。野鳥も見やすいのが冬です。ということで、おもしろいことがたくさん見られた観察会でした。もっとたくさんの人が参加してくれるといいですね。
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2024年度 第6回 乙女高原連絡会議・乙女高原FC世話人会 議事録

2024年12月12日 | 世話人会
日 時:2024年12月12日(木)  午後7:00~9:00         

乙女高原連絡会議

■第23回(25年目)草刈りボランティア (振返り・連絡会議)
・参加者数181は受付を通らない人がいたから➝「万が一の場合、保険への加  入のためにお名前が必要です。受付を必ずしてください」と受付係がアナウンスする。
●機械刈班が予定の面積を刈れなかった件について
 ・機械刈班の人数が激減(2019年57人➝今年29人)。
  機械刈は保護組合関係に限定していた。
  財産区は改組・不参加。
  (超)高齢化。
  プロ不在(県有林造林推進協議会)。

   【やり方の工夫による改善】
・機械刈駐車場はロッジ庭とする(機械を下から持ち運ぶのが大変)。一般参加者駐車場は下。
・補充用燃料を用意し、スタッフが各分担区の補充場所まで運ぶ。燃料代は主催者。1:25と1:50。
・「下から上」ではなく、「等高線に沿って横に」刈る。刈る人同士が近くならないよう注意する。
 説明用紙を配布すれば徹底する。
・笛川小の草敷き体験に合わせて、上部の残りやすそうな箇所は、できるだけ事前に刈ってしまう。

   【担い手を増やすことによる改善】
・一般参加者の機械刈も認める・・・ちらしの変更 現:一般参加者の刈払機使用はご遠慮を➝刈払機をご持参いただける方は申し込み時にお知らせください。
・区長会で呼びかける
・他にアイデアは??
 

・柵内だけでなく、柵外の草刈りもしたい(谷地坊主周辺、元成城小屋跡地、富士山展望台周辺)
・残土処分場への刈草の運び入れは、処分場のわきに入れれば、藁撒き工法が成立する
・来年度以降、市所有のトランシーバーの使用については不透明➝ドコモが通じれば問題ない!!
・キッズの草を運ぶ経路 遠回りするよりはしごで近道を➝幅広のはしごを新規購入
・刈草の有効活用は県管理条例が壁となり難しい

■第22回乙女高原フォーラム    (検 討・連絡会議)
・フェロー認定は「行う」。反省会(打ち上げ)を
・企画書データを市・県に送り、担当者名を入れてもらう。講師とも企画書を共有する。

乙女高原ファンクラブ世話人会

■来年度の活動計画案(検討・世話人会)
・6/7の自然観察交流会 兼 黄色いスミレは「やらない」(養成講座の前日なので)

■第Ⅵ期乙女高原案内人養成講座 (検討・世話人会)
・1日目(市民会館) 5月25日(日)→仮予約済
・2日目・3日目(乙女高原) 6月8日(日)、7月27日(日)
・講師 ほぼ今年度と同じ。
・助成金 申請書を書んでアドバイスをいただきたい
 →県ボランティアセンターにも助言依頼済

【次回連絡会議/世話人会】
2025 1/17(金)19:00~ 牧丘総合会館 (山梨市役所牧丘支所)
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自然観察交流会 2024年12月7日

2024年12月07日 | 乙女高原観察交流会
 道の駅・花かげの郷牧丘に9時に集合した5人で乙女高原を目指しました。
 まず立ち寄ったのが「杣口のサワラ学術参考林」。ここは毎年、氷華がたくさん見られる場所です。ところが、今年は今まで暖冬だったせいか、氷華は一つもありませんでした。せっかくですから、サワラの葉の裏を見て、白い模様(気孔帯)がⅩだったりHだったりするのを観察しました。


 次に大烏山登山道入り口付近で車を停めました。ヒノキの植林地があったので、ヒノキの葉とサワラの葉を比べようと思ったからです。ちなみに、サワラもヒノキもヒノキ科ヒノキ属の植物です。ヒノキの葉を見てみようと車を降りて、あっと思いました。ここは陽当たりがよく、氷が残っているとは思えなかったのですが、トネアザミの根元に氷華を発見。やっぱり、たくさんの目があると、発見が多くなります。茎の根元を食い破って氷が出てきているという感じでした。

 ここではコボタンヅルの綿毛の付いた実も観察。この綿毛、タンポポなどキク科の綿毛とは全然違っていて、魚の骨みたいに見えます。今、ちょうど図書館から借りて来た『花からたねへ』という本を読んでいるのですが(小林正明、全国農村教育協会)、この綿毛は雌しべの柱頭と子房を結んでいた花柱が変化したものなんだそうです。魚の骨の背骨に当たるのが花柱で、そこからあばら骨のように小さな毛が出ています。

 石の上についた動物の糞も発見。中にゴマのような種が入っています。おそらくサルナシだと思われます。サルナシの皮と思われるものもあります。ですが、全体的に濃い紫色をしています。「たぶんこの動物は木の実が大好きで、サルナシやブドウ(ヤマブドウとは限らない)を食べた」と想像しました。糞の大きさから、テンではなくキツネのものだと思います。


 柳平のすぐ前の鳥居峠でも途中下車。小さな赤い実がたくさん付いている木があったので、名前を教えてもらおうと思ったからです。何人かに見ていただきましたが、アズキナシだそうです。来年、葉が出てきたら、もう一度、確かめようと思います。


 次に停まったのは焼山峠。ここから小楢山林道を歩きました。そこには、カメバヒキオコシにできた氷華がいっぱい。一つ一つ個性があって面白かったです。あまりにも面白いので、たくさん写真を撮りました。
 「乙女高原フィールドノート」というブログは「植原が乙女高原に行った日に3枚の写真を選んで載せる」というルールでやっているのですが、この日は乙女高原の草原でも氷華が見つかり、ルールを破って10枚もの氷華の写真を載せてしまいました。よろしければ、ご覧ください。
https://blog.goo.ne.jp/otomefc/d/20241207




 氷華を見ていたら、ルリビタキの声(地鳴き)が聞こえたので双眼鏡で観察したり、ツグミの声を聞いたりしました。
 焼山峠に戻ってくると、カラマツにからみついたツルウメモドキの赤い実が、まるで、クリスマスツリーのように見えます。「おもしろいねえ」と双眼鏡で眺めていたら、あれ、クリスマスツリーの中腹にサッカーボール大の白っぽいものがあります。スズメバチの巣でした。

 目線をクリスマスツリーから下げて、また、びっくり。ヤマブドウがたわわに実っていました。角田さんが取ってくれたので、みんなで味見。酸っぱかったです。このまま干しぶどうになったら、少しは甘くなるでしょうか。次回の自然観察交流会が楽しみです。


 さて、道草を楽しんでいたら、お昼を過ぎてしまいました。ようやく乙女高原に到着し、お昼にしました。お日様はぽかぽか暖かいのですが、少しでも風が吹くと身震いするくらい寒いです。木の看板に寄りかかると、とても暖かいことを発見しました。木がお日様によって温まっているのと、風をさえぎってくれるのが理由だと思います。少し食べては看板のところに行く・・・というのを繰り返しました。


 午後から、草原の中を歩きました。角田さんと井上さんがハサミを持参してくださり、草原内に侵入した木々を伐りながら、歩きました。ウスユキソウに氷華ができているのを観察しました。


 ハンゴンソウにはもう氷華はなく、氷華ができた跡でした。岡崎さんに言われて、見てみると、草刈りボランティアの時に茎が切られた後に氷華ができたので、氷華のでき方がよくわかります。茎の中央付近、髄にあたる部分はまったく無傷です。そこから外側の茎の皮が裂けていました。つまり、地中から水を吸い上げる導管が通っている形成層の外側に向けて氷が出て来るので、形成層の外側が裂けて割れるけど、中心は無傷というわけです。勉強になりました。



 冬至も近いので、あっという間に夕方の太陽になりました。次回を楽しみに解散しました。
 ちなみに、翌々日の12/9にも乙女高原に行きましたが、このときは、サワラ林のところでたくさんの立派な氷華を観察することができました。ここでは今年初の氷華だったと思います。


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乙女高原展46 氷華

2024年11月29日 | 街の駅・乙女高原展
山梨市駅前 街の駅やまなしの一角をお借りして、乙女高原・乙女高原ファンクラブの常設展をしています。
このたび展示替えをしました。
「乙女高原の氷華」です。
この時期、条件の揃った草花では、地上部は枯れているのにまだ根は生きており、地中の水分を吸い上げ、それが寒さが凍って茎の外に押し出され、それはそれは、個性的で、きれいな立体作品ができます。


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カヤネズミの巣を見つけよう!!

2024年11月24日 | カヤネズミ・プロジェクト
11/23の「乙女高原草刈りボランティア」で、草刈りをしながらカヤネズミの巣をみんなで探しました。見つかった巣は全部で5つ。調べた結果を報告します。5つのうち4つがおそらく鳥の巣でした。

一つ目はおそらくウグイス。15×8×9センチの楕円形。まわりは笹の葉でした。


二つ目もたぶんウグイス。14×8×8センチと、第一の巣とほぼ同じ大きさです。こちらの外装には笹の葉ばかりでなくダケカンバの皮も使われていました。


三つ目は上の開いたお椀型の巣で、大きさは8×10、高さ6センチ。内径は5~6センチ。古くて断定できませんが、おそらくホオジロ。


四つめはかなり壊れていて、おそらく元の半分以下になっていると思いますが、巣材に笹が使われているので、たぶんウグイス。


そして、最後の1コは、細長く裂かれた葉がボール状になっていて、5センチほどの大きさです。おそらく、草原で多数見つかっている「地上巣」のなれの果てだと思います。


https://fruits.jp/~otomefc/maga361.html
ススキ株の中央に見つかる「東京ドーム」型の巣、楕円形の巣の半分が地下にあるというこの巣の持ち主がまだ特定できていません。
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